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【相続税を減らす生前の不動産対策】「遺言編」必要な言葉が書いてない!

2019/07/25


【遺言編】必要な言葉が書いてない!気持ちはわかっても自筆遺言は無効になることも

毎日通って面倒を看た証の遺言書は無効だったAさん

●遺言書が無効になることもある

子供たちがもめないように遺言書を残しておこうという方が増えています。自分が亡くなった後は残された人がなんとかするだろうというのでは、うまくいくかどうか不安が残りますが、遺言書があれば自分の意思が実現できるからです。

そのため、遺言書を書いておけばもう安心だ、と思う方も多いのですが、遺言書が必ず実現できるわけではなく、無効になってしまうこともあるのです。今回は、無効になった実例を紹介しながら、そのような失敗をしないよう、遺言書作りのポイントをご紹介します。

●パートを辞めて毎日介護に通った

Yさん(50代)は四姉妹の四女です。四姉妹ともそれぞれが県内や近県に嫁いでおり、夫や子供がいます。両親は自宅で二人暮らしをしていますが、ともに80代後半となり、数年前から介護が必要になりました。特に父親が病気で寝込むようになってからは介護ヘルパーさんに頼んでも、母親だけでは手に負えなくなったのです。

その状態を見かねたYさんは、パートを辞めて一日置きに実家に通って両親の介護をするようになりました。介護は四姉妹で分担できれば負担が少ないところですが、長女、次女は仕事をしており、三女は夫の理解が得られないとして協力してくれません。結果、Yさんがひとりで両親の介護を担当するしかありませんでした。

●父親は自筆の遺言を書いてくれた

父親はそうした状況を知っていましたので、日頃からYさんにはとても感謝しており、「相続のことはすべて任せる。家も渡す。」と言ってくれていました。そして自筆遺言書にも、こう書き残していました。日付と署名、捺印はしてありました。
「最後まで面倒を看てくれたYには本当に感謝している。ありがとう。遺産の分配は、Yに任せる。家はYが住んで残してもらいたい。」

●遺言書は無効で使えなかった

Yさんは、父親が亡くなった翌日、封をしていない父親の自筆遺言書を持って専門家に相談に行きました。父親の遺言書が生かせるのか、知りたかったからです。確認してもらうと、「父親の気持ちは表現されているものの、財産の分け方について明確な記載がないため、遺言書で相続手続きはできない」という説明をされました。

父親は、「遺産の分配はYに任せる。」と書いていますので、おそらく、自分の財産はYさんが介護した分、多めにもらうなど、自由に決めてよいという意味に受け取れますが、「相続させる」という言葉ではないので、手続きができないというのです。

●姉たちが介護の寄与を認めず父親の意思は生かされない

そうなると、父親の財産の分け方については、母親と四姉妹で話し合いをして決めなければなりません。母親は父親の遺言に異論はなく、Yさんが財産の全部を相続すればいいと言ってくれていますが、問題は姉たちです。Yさんは、父親の遺言書を見せて介護の貢献に見合うよう父親の財産は自分が相続したいことを伝えましたが、三人とも全く認めようとしません。父親の意思は生かされず、介護の苦労が報われないことになります。

話し合いは紛糾し、結局、法定割合で分けることになり、母親が亡くなったときに家を売って分けられるよう、とりあえずは共有名義にし、母親が1人暮らしをしています。
父親の意思も生かせず、介護の貢献度も認めてくれない姉たちとは、この先もうまくいかないと、Yさんは不安な気持ちをかかえています。

■対策するポイント■意思を生かせる公正証書遺言を作っておこう

◇遺言書は遺産分割の内容を明記しないといけない

遺言書には、個々の財産について、誰に、どのような割合で相続させるかを明記しなければなりません。たとえ家庭裁判所で検認手続きが終わったとしても、曖昧な書き方では手続きができずに無効になります。「私の全財産について○○に相続させる」とか、「私の所有する土地、建物を○○に相続させる」とか、「私の所有する預貯金については、○○と○○と○○で各3分の1の割合で相続させる」などと書くようにします。

自筆の遺言書の場合は、無効になることもあるため、事前に専門家のアドバイスやチェックを受けておくようにしましょう。

◇公正証書遺言が間違いがなく安心できる

公正証書遺言は、法律家である公証人と証人の立ち会いの下に作成する正式なものなので、法的な間違いはなく、無効になることはありません。本人と証人が公証役場に出向いて作成しますが、入院されている場合や高齢で公証役場まで出向くことが困難な場合は、公証人と証人が、病院や自宅等に出向いて作成することもできます。

また、自署することが不自由な場合や発声することが困難な場合であっても、ご本人の意思を確認することができれば、公証人が判断をし公正証書遺言を作成することができます。
但し、すでに認知症だと診断されていたり、後見人が選任されたあとでは本人の意思能力がないと判断され、公正証書遺言の作成はできません。早いようでも意思が明確なうちに作成されることをお勧めします。

◇遺言書を作るときに配慮したいこと

・こっそり作らない・・・相続人に知らせておくことが大切
・遺産分割は公平にするのが無難・・・遺留分には配慮しておく
・公平な遺産分割にならないときは理由を明記する・・・付言事項を活用し理由や意思を書いておく
・財産のことだけでなく、感謝や気持ちも残す・・・意思を残すことは最良の説得材料で価値がある

 

 

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