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相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

土地は親名義で使用貸借。土地を売ると言われた!?

◆自宅土地は親名義で使用貸借

Sさん(50代・女性)は夫と2人暮らし。子どもはいません。
両親は家が古くなり、建て替える案が出た時に、老後のことも考えて娘のSさんと同居したいと考えました。
父親から話を持ち掛けられた時、Sさんの夫も快諾してくれましたので、両親と同居する二世帯住宅にすることになりました。
そうしてSさんの夫が建物の9割を負担し、父親が1割を出し、共有名義の家を建てて同居がスタートしました。兄は別のところに家族で住んでおり、この二世帯住宅には賛成してくれていました。

 

◆土地は父親から母親へ

父親は5年ほど闘病した末に亡くなりましたが、遺言書がなく、母親と兄と話し合った結果、母親が自分の名義にしたいと、土地と建物の一部は母親名義になりました。
Sさんにすれば自分名義にしてもらいたい気持ちはありましたが、母親の希望が強く、押し切られた形となりました。しかし、同居の形は変わりませんし、父親の介護をした自負もあり、母親も介護が必要になれば当然、介護ができるのは自分だと思っていました。

 

◆母親が病気を発症

ところが、母親の認知症が進行し始めると、母親は娘のSさんにお金を取られたとか、食事を用意してくれないとか、ありもしないことを近隣で吹聴するようになり、Sさん夫婦では手に負えなくなってしまったのだそうです。
病院の診察を受けるとやはり認知症の症状で、母娘でも距離を置いた方がいいとアドバイスされたのです。
困ったSさんは兄とも相談して、兄の家で生活をしてもらうようにしたのです。

 

◆弁護士から通知

ほどなくSさんのもとに母親の代理という弁護士から通知が届きました。それには自宅の土地を売却することを考えているということと、今後、母親や兄とは直接話をするのではなく、代理人を通すようにということでした。
驚いたSさん夫婦は、どうすればいいかと思い、相談に来られたのです。

 

◆出ていかないといけないのか?

土地を売られてしまえば、Sさん夫婦は住んでいられなくなるだろうか?という不安があり、母親から土地を買い取ったほうがいいだろうかという質問もありました。
確かに母親名義の土地は母親が第三者に売却することはできなくもないのですが、現実的には土地を買ったとしても建物の90%を持つSさんの夫名義なので自由にはなりません。よって第三者が買い取る可能性はほぼないと言えます。
また建物を所有するSさんの夫に住む権利はありますので、いきなり出て行かなくてはいけない状況にはならないと言えます。
そのため、相続まで待ち、兄と分割協議をするほうが得策だとアドバイスしましたところ、Sさんはほっとされたようです。

 

 

相続実務士のアドバイス

 

●できる対策⇒母親が認知症であれば、相続までは現状維持しかない。
       弁護士が代理ではなく、親族で話し合いするように働きかける。

●注意ポイント⇒土地を使用貸借している場合、住んでいることに相続させることが合意の上なので、
        本来は家を建てる時に遺言書を作るようにするべき。
        土地は共有にならないような配慮が必要。
        

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