事例

相続実務士が対応した実例をご紹介!

<生前>遺言書【関根京子さん 70代からのご相談】

【事例】 ③財産の内容【不動産】④特別な思い【分割】【寄与】苦労して残した家は孫のいる長女に継承させたい 関根京子さん

家族と相続の状況〈長男には様々援助してきた。現在は二男、長女と同居している。〉

関根さんは30年前に夫を亡くし、苦労しながらも三人の子供を育ててきました。いままで寝込んだこともなく、70歳になるまで元気で働いくことができたお陰で、家を購入することもできたのです。
長男家族は、数年前までは同居しており、孫もいて円満に暮らしていたのですが、宗教の違いなどから対立することが多くなりました。長男家族は、「母親の面倒は看ない」と宣言して出てしまいましたので、関根さんもあきらめることにしたのです。

財産とご家族の状況
  • [遺言作成者]:母 関根京子さん 70代
  • [推定相続人] :長男、二男、長女  (家系図)

遺言を作る理由〈家は次の代では同居する孫に残したい〉

そうしたことがあり、離婚した長女が孫と一緒に戻ってきました。また、仕事で実家を離れていた二男も戻ってきて、3人で関根さんを支えてくれていますので、自分の財産は二男と長女に残して、次は同居する孫にあげたいと思いました。
 二男が独身ということもあり、同居する孫に確実に家を相続させる流れを作っておきたいのですが、すぐに遺贈だと相続の場面に引っ張り出すことになりかねません。まずは長女が引き受けることが妥当だとなりました。

遺言がないと困ること

・長男に対して法定相続分での相続権が発生してしまう
・不動産の分割を指定しておかないと長男にも権利が発生する
・疎遠であっても分割協議が必要となり、まとまらないと調停になる
・二男が独身で、兄弟が相続人となる

相続コーディネーターからワンポイントアドバイス

・遺言で長女が自宅を相続する内容にすれば優先される。
・長女の相続人は同居する孫だけで、きょうだいは関係ない
・長男へは遺留分相当額を渡せば減殺請求をされない

遺言の内容〈遺言者 関根京子さん〉

遺言書

遺言者 関根京子は下記のとおり遺言する。
第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、遺言者の長女・○○に相続させる。

【土地】
所在
○○区○○一丁目
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○㎡
【建物】
所在
○○区○○一丁目
家屋番号 ○○番○○
種類 居宅
構造 木造スレート葺3階建
床面積 1階 ○○㎡
2階 ○○㎡

遺言者は、遺言者の有する現金・預貯金から遺言者の葬儀費用、公租公課その他遺言者の未払債務を支払った残余の現金・預貯金について、下記の相続人に下記の割合で相続させる。
(1)遺言者の長男・○○に対し、相続財産全体に対する長男○○の遺留分相当額。
(2)遺言者の二男・○○に対し、上記遺留分相当額支払後の残余の3分の2
(3)長女○○に対し、上記遺留分相当額支払後の残余の3分の1

第3条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、二男○○を指定する。

第4条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、二男○○を指定する。
   1 遺言執行者は、不動産の名義変更、預貯金等金融資産の解約、払戻し等、本遺言を実現するために必要な一切の権限を有する。

付言事項
葬儀は、身内のみでしめやかに行われることを希望します。 長男には、生前に度々現金を貸し付けるなど、親として十分な援助をしてきました。したがって、長男は、遺留分相当額を取得できることだけでも満足すべきと思います。これで納得するように望みます。 また、自宅は、将来の取得者の点も考慮して長女の取得としました。長男は、自分の意思で独立したはずなので、実家には戻らないことを望んでおります。

平成○○年○月○日

○○市○○町○○
遺言者 関根京子

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