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相続実務士が対応した実例をご紹介!

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【事例】15年前の民事信託が老後破産を防ぐ 空き家を売却し、家賃が入る財産に変えられた理由

■「その時」のために備えた相続設計が、いま生きた実例

「まさか、15年前に結んだ民事信託が、こんな形で家族を救ってくれるとは思っていませんでした」

そう話してくださったのは、Tさん(50代・会社員)です。今回は、夢相続が15年前にご提案・サポートした民事信託が、“老後破産”と“相続税の重荷”を同時に防いだ実例をご紹介します。

 

相談のきっかけは「将来への漠然とした不安」

Tさんが勤務する会社は実家の近くにはないため、就職後は実家を離れて他県で生活しています。妹は同じ県内に住んでいますが、やはり嫁いで実家を離れています。結果、Тさんの両親は長年二人暮らしをしてこられました。

Tさんは上場企業の会社員ですので、40代、50代は仕事も忙しくなかなか実家に帰ることもできなかったと言います。そうしたとき、まとまった休みがあり、久しぶりに実家に帰ったとき、父親の様子を見て、愕然としたと言います。

80代の父親は動きも遅くなり、老後が不安になったこともありますが、Tさんがいちばん不安に感じたのは、父親の預金が多くないということでした。このままでは老後資金が不足すると思ったことから、15年前、Tさんは両親の将来を案じて、夢相続に相談に来られました。

 

当時のご家族の状況は次のとおりです。

  • 父親:80代(自宅で生活するも要介護状態、認知症予備軍)
  • 母親:80代(自宅で生活、元気ではあるが加齢による不安あり)
  • 長男:豊島さん(50代・会社員・県外で生活)
  • 長女:50代(結婚して別世帯・同県内で生活)

 

父親は自宅で転倒し、歩行が困難になり要介護に。
母親は元気で父親の介護をサポートしていますが、彼手による行動力は否めない状況です。

「このまま年を重ねたら、父親が管理しているお金や不動産のことは、専業主婦の母親には荷が重いのでは…。しかも、お金が足りなくなる、、」それが、豊島さんの率直な不安でした。

 

財産はある。でも、お金が足りない現実

当時、父親が持っていた財産は次のとおりです。

  • 自宅土地:1億2,530万円
  • 建物:153万円
  • 現預金:300万円
  • 生命保険:1,200万円
  • 合計:1億4,183万円

 

相続税の簡易試算では、約1,386万円の相続税が見込まれました。

 

問題はここからです。

財産の大半は「自宅不動産」。
一方で、自由に使える現金は300万円ほどしかありません

  • 生命保険は相続が起きないと入らない
  • 自宅は売らなければ現金にならない
  • 認知症が進めば、売却や契約行為ができなくなる

 

つまり、
「財産はあるのに、使えない」状態に陥るリスクがあったのです。

 

なぜ夢相続は「民事信託」を勧めたのか

そこで夢相続がご提案したのが、
父親を委託者、長男・豊島さんを受託者とする民事信託契約でした。

 

目的は明確です。

  • 父親が元気なうちに、将来の財産管理の道筋を決める
  • 認知症になっても、不動産を処分・活用できるようにする
  • 成年後見制度に頼らず、家族の判断で動けるようにする

 

この信託契約により、

  • 不動産の管理・売却・活用は長男が行える
  • 収益やお金は父親(その後は母親)のために使う
  • 父親が亡くなった後は、母親が信託を承継する

という設計が整いました。

 

契約の日には、家族4人全員が集まり、
父親の意思確認を丁寧に行いながら手続きを進めています。

 

 

8年前、父親が亡くなり、信託は「次の段階」へ

その後、父親は亡くなり、
信託契約どおり、母親がすべての財産を相続しました。相続税の申告は必要でしたが、配偶者である母親が相続することによって財産の1億6000万円までは無税という特例を適用しましたので、納税は不要となりました。

 

この時点では、

  • 母親はまだ自宅に住んでいた
  • 大きな資金需要はなかった

ため、信託の力が表に出る場面はありませんでした。父親の信託契約には自分が亡くなった時には財産は母親に相続させること、信託契約はそのまま継続することも記載されていますので、そのとおりにすることで相続税の納税は不要となりました。

 

しかし――
本当に重要なのは、ここからでした。

 

■母親が施設に入り、自宅が「空き家」になった

年月が経ち、いよいよ母親は一人暮らしが難しくなり、介護施設へ入所したのです。
そのため、両親が長年住んできた自宅は空き家になりました。Тさんも妹も自分たちの家がありますので、実家に戻って住む選択肢はありません。

 

この状態で、民事信託契約をしていないとどうなるでしょうか。

  • 母親は認知症になって会話ができないということではありませんが、それでも母親の財産である実家の売却の意思決断はできないこともあり、それでは売却できないとなります。
  • その後、認知症が進むと成年後見人をつける必要がある
  • 売却までに時間も費用もかかる

 

しかし、以前に民事信託契約をしているお陰で、売却などの手続きはすべてТさんが単独でできるのです。

15年前の信託契約により、長男が迷わず売却を実行できたのです。

 

自宅売却と、驚くほどスムーズな換金

自宅は 1億1,500万円で売却。

  • 3,000万円特別控除を適用
  • 諸費用:3,921,000円
  • 譲渡税:11,641,000円

 

その結果、
手元に残った金額は約9,943万円

空き家だった自宅が、
「母親の老後を支える現金」へと姿を変えました。

 

売って終わりにしない。家賃が入る財産へ

ここで終わらせないのが、夢相続の考え方です。売ったままでは金融資産が財産となり、売却代金だけで考えても、相続税が755万円かかる計算になります。

そのため、賃貸不動産に買い替えることをお勧めしています。売却代金の一部を使い、約3,500万円の区分マンションを2室購入

 

これにより、

  • 毎月約20万円の家賃収入
  • 財産評価の圧縮
  • 将来の相続税は、ほぼかからない水準に

 

空き家 → 現金 → 家賃が入る財産という「資産組み替え」が実現します。

 

15年前の準備が、老後破産を防いだ

もし、15年前に民事信託をしていなければ、

  • 空き家は売れず
  • お金は動かせず
  • 介護費用に不安を抱え
  • 相続税だけが重くのしかかる

そんな未来もあり得ました。

 

しかし実際には、
15年前の夢相続の提案とサポートが、
“次のステップ”を可能にした
のです。

 

相続コーディネーターからのメッセージ

民事信託は、「今すぐ役に立つ制度」ではありません。

でも、“必ず来るその時”に、家族を自由に動かす力になります。

 

相続対策とは、
税金の話だけではなく、
人生後半の財産の使い方を設計すること

この実例が、そのことを教えてくれているのではないでしょうか。

 

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■執筆者

相続実務士 (株)夢相続 代表取締役  曽根恵子

【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
”相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。

  • 相続関連著書・監修:92冊、累計88万部テレビ・ラジオ出演:300回超
  • 新聞・雑誌取材:1,000回超
  • セミナー:600回超

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