事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
【実例】「血縁」と「養子縁組」の狭間で。遺言書なき相続が招く家業の終焉

■申告期限まであと2か月なのに、まとまらない
相続税の申告を2か月半後に控えたМさん(50代女性)が相談に来られました。Мさんは、夢相続のセミナーから相続相談、不動産売却を依頼されたKさんのご紹介です。Мさん家族は、ある「複雑な事情」を抱えておられました。そこには、血の繋がりを超えた情愛がある一方で、遺言書がないばかりに法的な「権利」の主張があるばかりに稼業も、家族関係も、崩壊しそうな状況になっていました。
■複雑な人間関係:父と娘の「温度差」
今回の相談者、Мさんは昨年、96歳で亡くなった母親の相続について悩まれていました。相続人は、88歳の父親と2人の姉とМさんの4人です。
しかし、この家族構成には特殊な背景がありました。配偶者である父親は、実は、亡くなった母親の「実夫の弟」にあたります。Мさんたち子どもにとっては叔父ですが、実の父親が早くに亡くなった後、母親と結婚して、3人の娘たちと「養子縁組」もして、50年以上にわたり親子として歩んでこられました。
一見、普通の親子、家族のように見えますが、いまとなればそうした事情が相続でもまとまらない要因になっています。
三女のМさんは、結婚して家を離れましたが、離婚を機に実家に戻り、ずっと両親と同居をしてきました。そして両親と一緒に祖父が創業した家業の電気工事の会社を共に守ってきました。Мさんが両親との生活が長く、養父との信頼関係は堅く、実の親同然に慕ってきたといいます。
長女・次女は20代で嫁いでからは、実家を離れています。2人ともМさんのように両親とは関わってこなかったため、養親との間に三女ほどの深い信頼関係はなく、「家業を守る」という執着も薄いように思われます。
今回の母親の相続では、本来であれば、家長である父親が3人の娘を説得し、円満に話をまとめるのが理想です。しかし、「育ての親」という遠慮や、娘たちとの微妙な距離感(温度差)から、すでに姉二人は父親が説得できる状況にはなくなっているといいます。
■相談の背景:守りたい「家」と「事業」
実家は都内にあり、面積は60坪あります。ここは実家でもありますが、祖父が創業した会社の事務所としても使用しています。
資産の状況(概算)は、都内の自宅 (土地評価 約1.3億円)、建物評価:約600万円、預金100万円程度でほぼなし。
この「不動産はあるが現金がない」という状況が、相続の難易度を劇的に高めます。母親は、生前、Мさんに「後は頼んだよ」と口頭で伝え、通帳も預けていました。しかし、正式な遺言書は残されていませんでした。
■直面する「家族の亀裂」と法的リスク
母親が亡くなった後、それまで良好だったはずの姉妹関係に変化が出てきたといいます。別居している長女・次女の2人は、不動産の売却、または法定相続分に相当する「現金」での分配を強く主張し始めたのです。
長女・次女: 「公平に分けてほしい」「現金でほしい」
父・三女: 「住み慣れた自宅を守りたい」「事業を継続したい」
「遺言書がない」という事実は、「遺産分割協議(話し合い)」が絶対条件であることを意味します。長女・次女が首を縦に振らない限り、1円も、1平米も分けることができません。感情の対立は深まり、気づけばいつのまにやらМさんは姉妹のグループLINEから外される事態に。申告期限というタイムリミットが迫る中、話し合いは完全に止まってしまいました。
■法定相続という「数字」の罠
今回の相続財産を評価すると、約1.4億円。法定相続分(6分の1)で計算すると、姉2人に対してそれぞれ約2,300万円、合計で約4,600万円の支払い義務が生じる計算になります。
母親の預金はほとんどないため、Мさんが用意できる金額はふたりに500万円ずつ。それで合意をしてもらえないか姉たちに提示しました。ところが、姉側からは「500万円程度の提示では納得できない」という反応。
父親にも、Мさんにも、手元に法定割合の4,600万円もの現金はありません。このままでは、「家を売る」以外に道がなくなってしまいます。
■放置すれば待ち受ける「最悪のシナリオ」
このまま合意ができず、期限が過ぎて弁護士介入や調停に発展した場合、どうなるでしょうか?
ペナルティの発生: 無申告加税や延滞税が重くのしかかります。
強制的な「時価評価」: 相続税評価(路線価)ではなく、実勢価格(時価)での争いになります。自宅の土地は2億円を超える可能性もあり、姉たちへの支払い額はさらに膨れ上がります。
自宅と事務所の喪失: 現金を支払えなければ、裁判所は「不動産を売って分けなさい」という判決を下します。三代続いた家業の拠点は奪われ、高齢の父親は住まいを失います。
二次相続での地獄: 今、安易に「共有」で濁すと、次にお父様が亡くなった時、さらに権利関係が複雑化し、100%自宅を売却せざるを得なくなります。
■顧問税理の提案 土地を共有すれば?
申告の準備をしている会社の顧問である税理士に相続すると、「土地を法定割合で共有してはどうですか?」という提案があったといいます。
法定割合では父親が2分の1、姉とМさんが6分の1ずつとなり、1つの不動産の所有者が4人になるということです。
これでは財産をわけたことにならず、一人の自由にはなりません。自宅と会社として維持したい父親とМさんに対し、姉二人は現金にしたいため、また、対立が生じ、かえって将来の争いのもとになります。
■私たちが提案する「解決のロードマップ」
父親が娘たちを説得できない今、必要なのは「家族の情」に訴えることではありません。「客観的な事実と合理的な着地点」を提示する第三者の介入です。
既存の税理士は「決まった数字の申告」はしてくれますが、揉めている家族の間に入って交渉してくれることはありません。そこで、当社は以下のステップを提案しました。
- ① 相続実務士による「合理的な評価」の提示:
身内同士では「感情」が先に立ちますが、専門家が「国が決めたルール(路線価)に基づく適正な評価」を資料化。現状のままだと「増税」や「紛争」でお互いが損をするリスクをデータで示し、納得感を引き出します。
- ② 資金調達の具体化(代償分割):
「現金がないから払えない」で終わらせず、自宅を担保にした融資や、法人を活用した資金捻出(退職金等)など、具体的な支払い原資をプランニングします。
- ③ 二次相続を見据えた「全体最適」:
「今父親に全て寄せるのが最も税金が安い」という配偶者控除のメリットを説きつつ、将来の公正な分配を約束する遺言書作成をセットで提案します。
■結論:相続は「準備」がなければ「争い」に勝てない
今回の事例が教えてくれるのは、「親の意思(口約束)」は、遺言書という形にしない限り、法的な権利の前では無力であるということです。
相続は、放っておけば「争族」への引き金になります。育ての親である父親を困らせ、家業を潰してまで権利を主張する姉たちを責めるだけでは解決しません。
「遺産分割協議書の作成までのプロセスが、相続の9割です。弁護士に持ち込まれる前に、今、プロの介入で合意形成を図ること」
これが、Мさんの住む家と会社の看板を守る唯一の、そして最後のチャンスです。
皆様のご家庭でも、少しでも家族間に「温度差」を感じる方がいれば、それは危機信号です。手遅れになる前に、ぜひご相談ください。
■【相続実務士からのアドバイス】
不動産の共有は、将来の紛争を先送りにするだけの「禁じ手」です。今回のケースでも共有案が出ていましたが、絶対にお勧めしません。今の代で、きれいに決着をつける勇気が重要です。
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■執筆者
相続実務士 (株)夢相続 代表取締役 曽根恵子
【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
”相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。
- 相続関連著書・監修:92冊、累計88万部テレビ・ラジオ出演:300回超
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