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相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
【相続相談実例】相続税は2回、登記は1回!2つの相続を「全体最小」で考える

■母親と兄が相次いで亡くなった
以前、奥さんの父親の相続のコーディネートをさせて頂いたSさん(60代男性)が相談にこられました。
母親が亡くなり、相続人は兄と弟の2人。なのに、遺産分割協議書を作る前に、独身の兄が相次いで亡くなったといいます。
母親の財産は約6,300万円。
兄には配偶者も子もおらず、兄の相続人は弟ひとり。
「相続人は自分だけなので、ひとりで相続すれば、相続税は安くなりますよね?」
これは、実際の相続相談の現場で、本当によく出てくる質問です。
そして同時に、もっとも危険な発想でもあります。
一見すると、
「じゃあ、最初から母親の財産を弟が全部相続したことにすればいいのでは?」
そう考えてしまいがちです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
■弟ひとりでは母の財産を相続できない
結論から言いますと、「弟ひとりで母親の財産を相続した」という申告はできないのです
理由はシンプルです。
相続は“亡くなった瞬間”に発生するからです。
母親が亡くなった瞬間、相続人は「兄と弟の2人」。
その後、兄が亡くなったとしても、
母親の相続関係が後から変わることはありません。
これを実務では「数次相続(すうじそうぞく)」と呼びます。
■数次相続で起きている“本当の流れ”
このケースでは、相続は次のように進みます。
① 母の相続(第1次相続)
- 相続人:兄・弟
- 兄は母の財産の相続権を確実に取得
② 兄の相続(第2次相続)
- 相続人:弟のみ
- 兄が取得した「母の相続分」も含めて弟が相続
つまり、
相続税は2回かかる
ということです。
登記は1回なのに、相続税は2回」起きる理由
ここで多くの方が混乱します。
「結局、自分が全部相続するから、登記は1回でいいですよね?」
はい、登記は1回で済むことが多いです。
しかし、税務上はまったく別です。
税務署はこう見ています
- 母親の死亡時点で
→ 兄は相続人として“権利を取得”している - その権利は
→ 兄の財産として課税対象 - 兄が亡くなれば
→ その財産を弟が相続
登記の有無ではなく、
「取得する権利が発生したかどうか」が課税の基準です。
■ここが最大の痛点
弟には「相続税2割加算」がかかる
兄の相続では、弟は
- 配偶者でも
- 子でも
- 直系尊属でもない
ため、相続税は2割加算になります。
つまり、
- 母親の相続:通常税率
- 兄の相続:相続税+20%
という構造です。
「弟ひとりで相続した方が得」と思っていたのに、
実際には税金が重くなるのです。
■「じゃあ、遺産分割協議書で弟が全部相続すれば?」
ここで出てくるのが、この質問です。
「母親の遺産分割協議書で
『弟が全部相続する』と書けば大丈夫では?」
結論:原則NGです
なぜなら、
- 協議書は
→ “相続人全員”で合意して作るもの - 兄は
→ すでに亡くなっており、意思表示ができない
兄が相続人であった事実は消えません。
【OK/NG】実際の協議書の考え方
❌ NG例(税務署に否認されやすい)
- 「母親の財産すべてを弟が相続する」
- 数次相続の記載なし
- 兄の相続を“なかったこと”にしている
→ 形式は整っていても、実態と不一致
⭕ OKの考え方
- 母親の相続
→ 兄・弟が相続人であったことを前提 - 兄の相続
→ 兄の相続分を弟が承継 - 相続関係説明図で
→ 2つの相続を明確に分ける
■税務署に否認された場合の“現実的ストーリー”
もし、
- 母親の相続を「弟ひとり」として申告
- 兄の相続を飛ばした
場合、どうなるか。
税務署はこう動きます
- 相続関係を確認
- 数次相続を認定
- 兄の相続税を再計算
- 2割加算を適用
- 追徴税+延滞税
結果、
「節税のつもりが、
結果的に一番高い相続になった」
という事態になります。
■税理士・司法書士が説明しきれない理由
この問題が厄介なのは、
- 法律
- 税務
- 登記
- 実務の流れ
すべてが絡むからです。
- 司法書士は「登記ができるか」
- 税理士は「申告が合っているか」
をそれぞれ見ますが、
「相続全体をどう設計すべきか」
までは見ないことが多いのです。
■相続は「手続き」ではなく「設計」
このケースで本当に必要なのは、
- どう分けるか
- どう申告するか
- どこで税金が増えるのか
- 何をすると否認されるのか
を事前に読み切ることです。
相続は、
「終わったあとに後悔する」
「知らなかったでは済まされない」 分野です。
相続で迷ったら、
“誰に任せるか”を間違えないでください
数字だけを見て判断すると、
必ず落とし穴にはまります。
相続は、
知っている人だけが損をしない世界です。
■兄弟等分相続でも「全体最小」は実現できる
母親の相続は、
- 兄 1/2
- 弟(Kさん)1/2
の等分相続としました。
相次相続控除は使えません。
兄の相続では、2割加算もかかります。
それでも、
- 母親の相続で居住用の小規模宅地等の特例を適用して課税価格を大きく下げた
- その結果、兄の相続財産の“元”も圧縮された
ことで、
2つの相続を通算した税負担は、最小限に抑えられました。
2割加算そのものは消せなくても、
2割をかける“土台”は下げられる。
これが、「全体で考える相続設計」です。
■税理士は小規模宅地等の特例を適用していなかった
母親と兄は同居をしていましたが、父親は自宅の他にもう1つのマンションを所有しており、父親が亡くなった時に兄が相続しています。
兄の住民票は母親と同じマンションですが、税理士はセカンドハウスを兄の自宅として、母親とは同居していないと判断、
結果、小規模宅地等の特例は適用できないという判断のもとに相続税の計算がされていました。
けれども夢相続で弟のKさんよりヒアリングした結果、兄名義のマンションは家族の荷物置き場として利用されていて、兄が日常的に生活していたのは母親と同居するマンションだということでした。
母親とは同一生計で、郵便物も母親名義のマンション届いていて、明らかに同居です。
さらには兄名義のマンションはたまにしかいかないため、電気料金は基本料金だけ。生活していないという証明にもなります。
こうした事実から、税理士には小規模宅地等の特例を適用する計算をしてもらい、評価が下がりましたので、結果、母親の相続税は0となったのです。
■夢相続が大切にしている考え方
夢相続では、
- 無理な節税
- 形式だけの書類操作
- 後で否認される設計
は、決して行いません。
その代わりに、
- どの相続で、どの特例を使うべきか
- 兄弟相続でも、どこまで圧縮できるか
- 単体ではなく、全体で最小になる設計は何か
を、構造から整理します。
■Kさんの言葉
最終的に弟のKさんは、こう話されました。
「2割加算は避けられないけれど、
何も考えずに払うのとは、全然違うんですね。
“全体で最小にする”という考え方が、目から鱗でした
結果、相続税が100万円以上も安くなって、助かりました!」
■税理士は小規模宅地等の特例を適用していなかった
- 相次相続控除が使えなくても、打つ手はある
- 小規模宅地等の特例は、相続全体に影響する
- 2割加算は消せなくても、“元の税額”は下げられる
- 相続は「単発」ではなく「流れ」で考える
相続実務に必要なのは、
制度を知っていること以上に、
どこで・どう使うかを設計できる視点です。
それが、
夢相続が考える「相続実務士」の仕事です。
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■執筆者
相続実務士 (株)夢相続 代表取締役 曽根恵子
【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
”相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。
- 相続関連著書・監修:92冊、累計88万部テレビ・ラジオ出演:300回超
- 新聞・雑誌取材:1,000回超
- セミナー:600回超
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