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相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

アパートから駐車場へ。遺言書も作り直す?

◆両親と同居

Мさん(60代男性)はずっと実家住まいで、結婚してからも両親と同居してきました。子どもたちが独立するまでは3世代でにぎやかに生活してきたといいます。

 

父親は現在、元気で自宅で生活できています。しかし、残念なことに15年前、母親のほうが先に亡くなっています。

 

Мさんには姉がいて、母親が亡くなったときの相続人は父親と姉とМさんの3人。母親の財産は預金のみで、基礎控除の範囲内でしたので、とりあえず父親が相続しました。

 

◆父親の相続

結果、父親の財産は、自宅と敷地内にあるアパートに加えて、預金が増えました。けれども全体の財産でみると不動産が3分の2、預金が3分の1となります。父親の考えでは不動産は同居する長男に相続し、預金は嫁いで遠くに住む長女と長男で等分にすればいいと考えました。

 

きょうだいは円満とはいえ、父親がいなくなったあとでは長女が不満を言い出すかもわからないということで、10年前に相談に来られました。父親の意思を実現するには遺言書を作成しておくことが望ましいとアドバイスをしましたところ、父親は公正証書遺言の作成をされたのでした。

 

 

◆アパートが古くなり更地に

それから10年が経ち、父親は90代になられました。元気に生活はされていますが、要介護3となり、身の回りの介護が必要な状況となり、相続のことも気になるとМさんは話されました。

 

一番気になることはと言えば、自宅の敷地にあった6世帯のアパートですが、築50年を過ぎ、修繕するのも大変となりました。幸い、入居者は少しずつ退去され、昨年、全室が空いたので建物を解体して駐車場にしたと言います。父親の年齢など考えると建築資金を借りて建て直す決断ができず、とりあえず駐車場にしたといいます。

 

◆遺言書はどうする?

つぎにМさんが気になったのは遺言書のことです。不動産はМさんが相続するとなっていて、アパートの土地と建物の記載があります。しかし、もう建物は解体してないため、このままでいいのだろうかと不安になり、相談に来られたのでした。

 

◆あるものだけ相続

遺言書は「誰に」「何を」相続させるかの記載ですが、相続になったときにあるものしか相続できません。よって遺言書に建物の記載があったとしても、相続になったときになければ手続きができないということです。アパートの建っていた土地は変わりがありませんので、そのまま相続できます。

 

相続させる人が変わったわけではないため、遺言書の作り変えなどはしなくても、相続のときにある財産だけを相続することができます。

 

財産が増えたり、相続させる内容に変わりがある場合は遺言書の作り直しが必要ですが、今回、遺言書はそのままとすることで問題ないことがわかり、Мさんも安心されました。

 

 

◆相続実務士のアドバイス

●できる対策 

分け方を決めて遺言書を作成しておく

財産の内容が変わっていても、残る財産については遺言書で手続きができる      

 

 

●注意ポイント

遺言書に記載されていない財産があり、相続の仕方の指定がない場合は、相続人全員で遺産分割協議が必要になります。

 

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