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相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

一軒家からマンションへ!売却で生活資金捻出して不安を解消する

■夫が倒れて仕事ができなくなった

Kさん(60代女性)の夫は開業医。都内でクリニックを経営して来られましたが、60代になり、今までの激務のせいか、パーキンソン病を発症。それでも治療をしながらクリニックの経営を続けておられましたが、昨年末、心筋梗塞で倒れてしまったといいます。幸いに自宅にいるときだったことから、Kさんが救急車を手配して、すぐに救急搬送されました。発見が早かったとはいえ、一時は心肺停止となり、深刻な病状だったと。それでも、懸命な蘇生で一命を取り止めることができ、意識がないままICUで過ごす日々を乗り越えて、一般病棟に移り、いまは安定しているといいます。これからのことを相談したいとKさんが来られました。

 

 

■仕事復帰は難しいとドクターの判断

Kさんの夫のクリニックはKさんの夫ひとりがドクター。夫がいないと診察もできなくなりました。今回の入院中に主治医より、右半身のマヒが残ると思われるため、仕事には復帰できないと言われたのです。夫もそうしたことを覚悟して、クリニックは閉鎖し、リハビリに専念するとなりました。

夫は20年もクリニックを経営しており、顧客もいるので、そのまま引き受けてくれるドクターを探しましたが、急には見つかりません。その間も賃料など維持費がかかり続けるため、廃業を決断して、手続きをされました。

賃借しているフロアも解約して原状回復工事が必要になります。入院中の夫に代わってすべての手続きをKさんがする中で、夫の預金が多くないことに気付いたといいます。クリニックの原状回復には3000万円近くの費用がかかり、そうした支払いをしてしまうと、生命保険を解約して補填するしかないというのです。

 

■原状回復の資金はどこから捻出する?

夫はドクターという職業柄か、羽振りのいい生活をしており、自分の母親やきょうだいの生活費を出すなど、周りにもいい顔をしてきたのです。けれども、数年前にパーキンソン病を発症し、コロナの影響もあって、患者数も激減してしまったのですが、医療機器の多額のローンは払い続けないといけないため、クリニックの経営も一挙に厳しくなり、お金もないことがわかりました。

そこで、Kさんは生命保険を解約するか、自宅を売却するしかないと、考えたと言います。

 

■自宅は共有名義。弁護士は離婚を

夫が開業してからクリニックは繁盛していましたので、20年前に夫は最寄駅から徒歩5分のところに土地を購入し、4LDKの自宅を建てて住んできました。もうローンも返済し終わり、負担はありません。息子二人も結婚して家を離れましたので、ここ10年は夫婦二人暮らしをしてきました。

婚姻20年を過ぎた時に節税対策として、夫から贈与を受けて、共有名義になっていると言います。5分の3が夫名義、5分の2がKさん名義です。家を売るには夫の協力も必要で、夫が入院中では売れないのでは、心配になり、困って役所の法律相談に行ったところ、担当の弁護士からは「離婚」を勧められたといいます。「離婚の財産は下記分与」として自宅の名義をKさんにすればいいのではということのようです。

それも現実的ではないようで、ますます困って、相談に来られたのでした。

 

■名義変更には多額の贈与税がかかる?

弁護士からは、名義変更は多額の贈与税がかかると言われましたので、それも悩んでるということです。弁護士からは、司法書士にも相談に行くようにとも言われたといます。

Kさんは、離婚の前にまず、生命保険を解約してクリニックの原状回復工事代の一部にと考えており、次には、自宅の土地家屋の名義を夫からKさんにして売却することができるかについて、教えてもらいたいということです。

Kさんに再確認すると、自宅は二人暮らしには広いので、売却してマンションに住み替えたいとのこと。夫は退院した後でも車イスで、介護が必要になります。現在の自宅はバリアフリーになっていないため、介護できる状況ではないといいます。

 

■贈与ではなく、ふたりで売却する

弁護士の説明では、「夫から贈与、次に売却」という流れを説明されていましたが、すでに配偶者贈与を使っているKさんには特例を利用することができず、一般的な贈与になるため、贈与税がかかり、名義替えや不動産取得税もかかります。さらに売却したときにも特例の3000万円控除は1人分しか使えないため、余分な贈与税、譲渡税、不動産取得税を払うことになるのです。

そうした方法ではなく、夫とKさんの2人で普通に売却することが一番節税になることを説明し、当社で売却の担当をさせて頂くようにしました。

夫は入院中ながら、意思確認はできるまでに回復しておられて、問題ないと判断しました。

 

■病室で司法書士が意思確認をして決済できた

Kさんのご自宅は最寄駅より5分と近く、人気のあるエリアで、すぐに購入希望の不動産会社があり、測量をして境界確認が終われば、建物の解体は不要だという条件で契約を進めることができました。Kさんが夫から委任を受けて手続きをしました。

2か月後の決済時も、夫はまだ入院中でしたので、司法書士が病室まで出向いて本人の意思確認をして、問題なく決済代金の受領ができ、相談を頂いてから、4ヶ月で売却を終えることができたのでした。

 

■弁護士に任せていたら売れなかった、、

相談した弁護士は、「離婚」「夫から贈与」というアドバイスだったため、そのままでは何も進まず、生命保険の解約金でクリニックのフロアの原状回復費用は捻出できたとしても、その先が不安ばかりということだったと思えます。

 

■執着するより、住み替えて快適に

Kさんは短期間に自宅が売却でき、住替え先のマンションも見つかり、本当に喜んでおられました。夫は自分が建てた家にずっと住みたいという気持ちがあったようですが、すでに二人暮らしのときから広すぎることが課題でした。さらに自分の退院後はバリアフリーでないと生活できないことを痛感し、売却に同意されたようです。

Kさんは「私は以前から老後はマンションに住みたいと思っていました。無事にこの日を迎える事ができ、心より感謝致しております。本当にありがとうございました。

夫にも早速報告をし、くれぐれも宜しくと申しておりました。いくつもの苦難にぶつかるたびに私を助けていただき、心より感謝申し上げます。」というメッセージを頂きました。必要な時にサポートができ、安堵しています。

なお、共有名義で、2人とも住んでいる自宅の売却の際は、2人とも特例が活かせるため、Kさんご夫婦は譲渡税の課税はされずに手元に残すことができ、資金的な余裕も作れました。特例の説明は下記のとおりです。

 

 

■居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

国税庁webサイトより転記 No.3302 マイホームを売ったときの特例 

 

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

 

◇特例の適用を受けるための要件

(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

 

(注)住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件すべてに当てはまることが必要です。

イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

 

(2)売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

 

(3)売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。

(4)売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

(5)災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

(6)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。

特別な関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

 

 

◇適用除外

このマイホームを売ったときの特例は、次のような家屋には適用されません。

(1)この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋

(2)居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(3)別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋

 

 

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