事例

相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

借入のない賃貸事業にするため半分売却して建て直す!大きくよりも手堅く。

 

■同居する実家を相続してきた、土地が財産

Yさん(80代男性)は長男として実家を継いで、守ってきました。父親が20年前に、母親が10年前に亡くなり、相続の手続きが必要でしたが、同居するYさんが自宅を相続し、姉には現金を渡す形で遺産分割協議ができ、円満に済ませられました。

両親の財産は自宅とその敷地にあるアパートで、土地は約110坪あります。最寄駅から徒歩3分の好立地にあり、土地の評価も高いエリアです。

 

■自宅とアパートが築50年、80代となり、「相続ブラン」で対策を

自宅とアパートはYさんの父親がほぼ同時期に建てたもので、築50年になります。当時は祖父母、両親、Yさん家族の4世代が住む時期もあり、自宅の建物は50坪ほどある2階建てです。現在は、Yさん夫婦と40代の長女の3人住まいとなっています。

アパートは8世帯あり、軽量鉄骨で2DKの間取りです。最寄駅からほど近いことや退去のたびにリフォームしてきていますので、現在は満室経営ですが、リフォーム代は少なくないため、家賃で生活する現在となっては、家賃が貯まるほどの余裕がなくなり、これからどうすればいいかと相談に来られました。

Yさん夫婦が80歳になったこともひとつのきっかけであり、娘のための対策をしておきたいというご希望でした。そこでYさんから委託を頂き、夢相続で「相続プラン」を作成することになりました。

 

■相続税が5000万円近くかかる

父親の相続ときは母親が相続しましたので、配偶者の特例もあり、納税は不要でした。母親の相続ときは同居するYさんが相続しましたので、まだ相続税の基礎控除が5000+1人1000万円のときで7000万円あり、小規模宅地等の特例により、やはり、相続税の申告は必要でしたが、納税は不要という範囲でした。

ところが現在では、相続税の基礎控除は4200万円となり、相続財産が2億5000万円の場合、相続税は4920万円と試算されます。1回目は配偶者の特例により納税は0になっても、二次相続では相続人が1人なので、相続税は6860万円となります。このままでは7000万円近くの預金を残すことは難しいため、次の相続では自宅かアパートを売却して相続税を捻出することになりそうです。

 

 

■相続税を節税する土地活用案の比較

現在の自宅とアパートは築50年が経過しているため、耐震性に不安もあり、これから子どもが維持することを考えると建て替えが妥当だと言えます。

そこで、相続税の節税となり、収入も確保できる土地活用の比較案を作成しました。

1.全体を活用する案

2.アパートを売却、売買代金で自宅を建て替る案

3.全部を売却し、住替え、資産組替をする案

 

1.全体を活用する案

[内容] 自宅とアパートを解体し、1棟の建物にして、自宅と賃貸住宅を併用する

 重量鉄骨造4階建て 4階を自宅、1~3階に1LDKの賃貸住宅が9戸取れ、

[収支] 家賃は月額150万円 建築費は3億5000万円で銀行融資 

返済後の手取り月額40万円

[メリット] 土地が残せる 賃貸物件が新しくなる 相続税はかからなくなる

[デメリット] 借入が多額 35年返済が必要 

メリットは

 

2.アパートを売却、売買代金で自宅を建て替る案

[内容] アパートを売却、売却代金で賃貸併用住宅に建て直して賃貸事業は継続する

 RC造3階建て 1、2階を自宅、3階に1LDKの賃貸住宅が2戸取れる

[収支] 家賃は月額40万円 建築費は1億円程度とし、売却代金で賄う

アパート60坪は2億7000万円で売却でき、手取り額2億円

[メリット] 土地は半分になるが残せる 賃貸物件が新しくなる 相続税は特例により減らせる 売却代金で建築でき、借入は不要

[デメリット] 土地が半分になる 譲渡税約5000万円かかる

 

3.全部を売却し、住替え、資産組替をする案

[内容] 自宅とアパートを売却、自宅を住替え、賃貸物件もあらたに購入する

 自宅とアパートは約6億円で売却できる見込み 手取りは4億8000万円

[収支] 自宅を1億円で購入、3億円は賃貸物件を購入。

家賃は利回り4%で月額120万円

[メリット] 借入のない自宅、賃貸物件が保有できる 相続税は特例により減らせる

[デメリット] 土地が残せない 譲渡税が1億円以上 

 

■どのプランを選ぶのがいいか?

Yさんはご家族で話し合いをされ、住み慣れた土地は離れがたいが、全部を残して建て直すには借り入れの負担が大きくて、不安がある、よって両方の折衷案となる2のアパートを売却して、その売却代金で自宅を建て直す案を選択されました。

全部残すパターンと全部を売却するパターンの両方のメリットを生かす形です。

次に売却の仕方ですが、土地は自宅とアパートの2筆に分かれているものの、自宅が手前の道路に面して建っていて、アパートは自宅の裏に建っている奥に長い地形です。そのままでは、アパートの進入路の幅員が狭いため、アパートの建て替えができず、自宅部分の間口をアパート側の敷地につける必要がありました。その分はアパート側の敷地と交換する形で測量し、分筆、現在の面積を確保するようにしました。

 

■将来は両親の自宅も賃貸できる

現在のプランは高齢のYさん夫婦が1階に住み、2階が娘さん、3階が賃貸物件としたプランとしていますが、Yさん夫婦が亡くなったあとは賃貸できるように別世帯として建てるようにします。現在の家賃の見込みは月額40万円ですが、それが倍になるということです。現在はYさんの娘さんは会社員として仕事をしていますが、将来、定年後には収入が減るときには家賃が生活費の補填になります。

 

■相続プランのまとめ

Yさんの相続プランは主にご自宅の土地活用となりました。相続人が子ども1人となるため、大きく残すよりは手堅く維持できる財産とすることをお勧めしました。土地は半分になりましたが、借入のない賃貸併用住宅になり、小規模宅地等の特例により相続税を減らして、収入を増やすことができます。現状維持に固執して大きな借り入れをかかえるよりは、発想を変えて不安なく維持できる財産にすることが現実的でしょう。

Yさん親子からはそうした無理のないプランを提案してもらってよかつたと言って頂いています。

 

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