事例

相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

宗教法人に寄付した土地はどうなる?法人の後継者はいない

◆父親が亡くなった

Oさんは4人きょうだいの長男で、姉と2人の妹がいます。
4人とも就職や結婚などで実家を離れていて、両親が二人暮らしをしてきました。母親は15年前に亡くなり、その後は父親が一人暮らしをしていました。
Oさんも姉や妹たちも実家からは遠く離れたところに住んでいて、長男のOさんも実家に戻る予定はないといいます。
その父親が亡くなり、Oさんが相談に来られました。

 

◆自宅敷地で宗教法人の活動

父親は地方の最寄駅から徒歩5分のところに住んでいます。
Oさんが学生の頃から父親は宗教の信者となり、地域の幹部として貢献してこられたと言います。そのため、自宅の敷地に宗教法人の建物を建てて、父親が取り仕切っていました。
しかし、父親も会員信者も高齢となり、次の世代の後継者がないことから宗教法人の活動も継続できなくなりました。
父親が一人暮らしをしににくなったことで介護施設に入所してからは、全く活動できておらず、実家も宗教法人の建物も空家となっていました。

 

◆実家にはもどらない

父親は自分の財産は全て宗教法人に注ぎ込んでいましたので、介護施設の費用は年金とOさんの援助で支払ってきました。
財産は実家の不動産だけということで、相続税がかかる範囲ではありません。
姉と妹は不動産のことは長男であるOさんに任せると言っています。皆、実家に戻ることはないので不動産はいらないということです。
Oさんも既に実家を離れて久しく、また自分の家を購入しているため、実家に戻って生活する選択肢はありませんので、地元で使いたいという人がいれば贈与してもいいと考えています。
そうするにしても一旦は相続手続きをしなければなりません。

 

◆土地は誰のもの

今まで父親から不動産の名義など聞いたことがなかったため、この機会に調べるようにオススメし、相談時間中に土地の構図と土地、建物の登記簿をネット取得しました。

すると自宅の土地、建物と裏山は父親名義ですが、宗教法人の建物と周辺の土地は宗教法人に贈与していることがわかりました。既に父親の財産ではないということです。
しかし、宗教法人の代表者である父親は亡くなっているため、実体のない法人が所有している形になっています。法人の後継者もいないため、空家として放置されている状況です。
父親が管理できなくなっても困らなかったのは、固定資産税が課税されていなかったためでしょう。

 

◆実家と一緒に処分

実家も宗教法人の建物もすでに数年、空家状態で、このまま放置してもいいことはありません。
いらない不動産なので相続放棄できるか?ということも考えたとOさんは言われましたが、国が引き取らない不動産だと判断されるため、書類上の相続放棄ができたとしても相続人の管理責任は残ります。
相続放棄は現実的ではないので、処分できる方法を探すことをおススメしました。最寄駅から徒歩5分の立地はいいこと、市街化区域で建物は建てられることなど売却できる見込みはありそうです。
問題は宗教法人の名義を個人に戻してもらう手続きですので、司法書士と連携して進めることになります。
Oさんは不動産の名義が確認でき、方向性が見えてほっとしたと言われていました。実務的な手続きはお任せしたいということで少し肩の荷を下ろして頂けたようです。

 

 

ご相談は夢相続へ

●できる対策⇒父親の相続登記をし、不動産の名義替えをする。
       代表がいなくなった法人は閉鎖するなどして土地を個人に戻してもらう。
       使わない土地は活用できる人に売却する。

●注意ポイント⇒不動産の名義が入り組んでいるので全体の確認が必要。
       父親が贈与した土地を戻してもらうための手続きが必要だが、手間がかかる。
       こうした課題を残さないように生前に父親が手続きしておけると、手間がかからずに手続きができたので残念。


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