事例

相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

母親のお金を使い込み!?知らないというばかりの弟。

◆母親は施設に

58歳のSさん(男性)からのご相談です。
Sさんの母親は93歳までひとり暮らしをしていましたが、いよいよ大変になり、施設に入所。現在96歳になります。
父親は20年も前に亡くなっています。実家へは2時間ほどかかるSさんとは違い、5歳下の弟が実家のすぐ近くに住んでいますので、母親のお金の管理も含めて、弟家族が母親の面倒をみるようにしていたといいます。

 

◆お金の管理は弟が

母親は90歳を過ぎてもどこも悪いところがないと言っていてとても元気でした。ずっと家で生活するだろうと思っていましたが、母親が施設に入所したと弟からの事後報告で知らされて本当に驚いたと言います。
弟は事前にSさんには相談もなく、決めてしまったのです。
施設の費用なども気になるところですので、弟に聞いたところ、足りているので心配ないと。通帳の管理もきちんとしているという返事でした。

 

◆母親に仕送りしていた

Sさんは母親の生活費は確認していなかったのですが、母親から年金では足りないと言われて毎月10万円から15万円を仕送りしていました。専業主婦の母親の年金は少ないので自分が仕送りするのは当然だと思ってきたのです。
ところが、最近になり叔母から聞いて分かったことは、母親は父親の遺族年金があり、困ることはないという話を叔母にはしていたようです。父親の遺族年金と母親の年金は2か月で約34万円だとわかりました。母親ひとりでは困ることはないと思えます。

いずれにしても事実を確認しておきたいと思い、弟に通帳を見せるように言いましたが、なかなか見せようとはしません。問い詰めると通帳は捨てたという説明。母親に聞いても分からないといいます。

 

◆母親と銀行に

通帳がないままでは確認のしようがないため、母親をつれて銀行の窓口に出向き、10年分の取引明細の履歴を取りました。それで判明したことは、10年前から毎月のように多額の金額が引き出されているという事実でした。
これについても、母親に聞いても分からないというだけでした。弟夫婦にもその書類を見せて聞きましたが、とにかく知らないとしか言いません。
母親からお金がないと言われてSさんは何年も仕送りしたのに、愕然としたと言います。
弟は会社員で収入も多くないと思われるのに、自宅は土地を買って家は新築しています。

 

◆使途不明金をつきとめたいが

高齢の母親が毎月20万円、30万円もの支出をすることは考えにくいため、弟夫婦が母親の預金を引き出して、生活費、家のローンの補填や子供の教育資金に使ったというところでしょう。しかし、弟夫婦はそれを認めず、母親も言いません。
それが悔しいのでこれを突き止める方法はないか、今後、どうすればいいかというのがSさんの相談内容でした。

 

◆使い込んだ人の逃げ切り

親のお金を子供が使い込むことはたまにあることで、これが発覚すると知らなかった子供は怒り心頭になります。しかし、使い込んだ本人はたいていの場合、認めません。「知らない」「母親が使ったのでは?」ということで逃げ切ります。
家庭裁判所の調停でも、使い込んだ人が想定されても、決定的な証拠がなければグレーゾーンは罰せず、「わからない」で逃げ切れるのです。

Sさんにも、これ以上追及しても得策ではないため、今後どうするかのみを対策することをアドバイスしました。
まずは母親の通帳をSさんが管理し、弟が引き出せないようにする、今まで引き出された金額を想定し、それを加味した遺産分割として母親に遺言書を作ってもらう、母親と任意後見契約をして任意後見受任者に自分がなることなどです。
Sさんは踏ん切りがついたと言われ、早速、前向きなことだけに取り組むようにすると仰って帰られました。

 

 

相続実務士のアドバイス

 

●できる対策⇒母親の預金から引き出された額を確認しておく。
       引き出された額を考慮した遺産分割として母親に遺言書を作ってもらう。
       母親の預金の管理はSさんがして弟には情報共有する。

●注意ポイント⇒お金が引き出された事実が確認できても認めなければ特定できず。
        引き出したもの勝ちのことが多い。
                 特定することも難しいため、これからできることに専念したほうが得策。
        

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