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相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
独身70代男性の相続問題~家が動かない!どうする?~

■Aさんの状況
Aさんは70代の独身男性。一人暮らしを続けています。
実家は自分が住んでいる家ですが、亡くなった兄弟姉妹も多く、家の名義や相続手続きが複雑になっていました。
Aさんの悩みは、こうです。
- 相続手続きが進まず、家の名義が変えられない
- そのため、家の売却やリフォームもできない
- 一人暮らしで体力も落ちてきており、家の維持が負担になっている
「自分の住む家なのに、自由に動かせない…」
毎日、Aさんはそう感じていました。
■独身者が多い家族の相続はややこしい
Aさんの家族構成は、兄弟姉妹が多かったものの、亡くなっている人も多く、残っていAさんの家族は5人兄弟姉妹で、次の通りです。
- 長女(故人・独身)
- 長男(故人・独身)
- 次女(故人・独身)
- 次男(存命・結婚)
- 相談者Aさん(独身・実家住まい)
この家族では、4人中3人が既に亡くなっており、そのほとんどが独身でした。独身者が多い場合、相続人は配偶者が不在で兄弟姉妹や直系血族に限定されるため、相続手続きが複雑になりやすく、遺産分割や税金負担も注意が必要です。Aさんは唯一の実家住まいの独身者であるため、実家を守りつつ、適正な名義移転や財産承継を考える必要があります。
相続人は次男の兄とAさんだけです。
ここでポイントになるのは、独身者が多い家族の相続は、配偶者がいないため法定相続分が兄弟姉妹で分かれること。
さらに、Aさんの次男の兄は結婚していますが、認知症気味で意思の確認が難しい状況です。
しかも兄の配偶者は、話を聞かず自己主張が強いタイプ。
こうなると、相続登記や家の売却、リフォームなど、家に関わる意思決定が滞ってしまいます。
■実家住まいAさんの立場と名義の課題
Aさんは実家に住み続けているため、家屋や土地の名義を自分に変更したい状況です。しかし、次男の兄が結婚しており、認知症の兆候が見られることから、相続手続きの窓口としての対応が困難になっています。
さらに、兄の配偶者である兄嫁が、「人の話を聞かないタイプ」であることも影響し、相続登記や名義変更の手続きが進まない状況が続いています。このようなケースでは、手続きの遅延やトラブルが発生しやすく、専門家のサポートが不可欠です。
3-1. 認知症気味の兄の存在
次男の兄は既婚ですが、認知症の兆候があるため、自身で意思決定を行うことが難しくなっています。遺産分割協議や登記手続きの承諾が必要な場合、兄自身が適切に判断できないことで、Aさんが名義変更を進められないリスクがあります。
3-2. 兄嫁の協力の困難さ
さらに、兄嫁が人の話を聞かない性格であることから、手続きや説明を行っても理解や協力を得られにくい状況です。このため、相続登記や実家の名義変更を進める際に、Aさんが一方的に手続きを進めることができず、時間と労力がかかることが避けられません。
■相続登記が進まない場合のリスク
名義変更や相続登記が進まないまま放置すると、以下のリスクが発生します。
- 財産の管理や売却ができず、資産活用が制限される
- 相続税申告や納税の期限に間に合わず、延滞税や加算税が発生する
- 将来的にさらに複雑な相続問題が発生する可能性がある
- 家族間の争いが長引き、心理的負担が増す
Aさんの場合、実家住まいであることから、家屋の維持や管理の責任も生じるため、早期に登記を進めることが経済的・心理的な安定にも直結します。
■解決策と実務的対応
このような状況では、専門家の支援を受けながら進めることが現実的です。具体的な対応策としては以下の方法があります。
〇家庭裁判所による成年後見や財産管理人の選任
認知症の兆候がある次男の兄については、成年後見制度や財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てることで、手続きを進める窓口を法的に確保できます。これにより、Aさんは円滑に相続登記や名義変更を進めることが可能となります。
〇遺言や協議書の活用
独身者が多く、兄嫁との協力が難しい場合、遺言書や相続協議書を活用して、手続きの正当性を明確にしておくことが重要です。事前に書面を整えておくことで、後から発生する争いを回避できます。
〇専門家によるサポート
不動産登記や相続手続きに詳しい専門家(弁護士・司法書士・相続実務士)に依頼することで、手続きの複雑さや心理的負担を軽減できます。Aさんのように独身で実家を守りたい場合、第三者が仲介することで、兄嫁とのやり取りも円滑に進めやすくなります。
■独身者が多い相続の特徴と注意点
Aさんのケースは、独身者が多い相続の典型的な例です。このような場合、次の点に注意する必要があります。
- 相続人が限られるため、財産分割が偏りやすい
- 配偶者が不在で兄弟姉妹のみが相続人となる場合、分割方法や名義変更の意思決定が複雑化します。
- 認知症や協力困難な相続人の存在が影響
- 次男の兄のように認知症気味の場合、手続きが進まないリスクが高まります。
- 遺言・協議書・成年後見制度の活用が必須
- 独身者が多く、手続きを進めるのが困難な場合、法的手段や文書での意思確認が重要です。
- 不動産や財産の管理・維持が課題
- 実家に住み続けるAさんは、管理責任と将来的な名義移転をセットで考える必要があります。
■まとめ
Aさんの事例から分かることは、独身者が多い家族の相続では、財産承継の複雑さと手続きの困難さが増すことです。特に、次男のように認知症気味の兄や、協力が得にくい兄嫁が存在する場合、相続登記や名義変更は容易に進みません。
Aさんが実家住まいであり、将来的に財産を守りたい場合は、以下の対応が有効です。
- 家庭裁判所による成年後見や財産管理人の選任
- 遺言書や相続協議書の作成
- 専門家による手続きの代行・調整
独身者が多い場合の相続は、一般的なケースよりも事前準備と法的手段の活用が不可欠です。Aさんのように実家に住み続ける人にとって、早めの対策が財産の承継と安定した生活を守るカギとなります。
Aさんはまずは兄と兄嫁と再度相談し、早めにそれぞれの相続手続きを済ませるようにしたいと言って帰られました。この機会に解決できればと思うところです。
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■執筆者
相続実務士 (株)夢相続 代表取締役 曽根恵子
【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
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