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相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

相続税の納税期限まで5カ月!節税して、賢い土地の売り方はこうした!

 

■父親が亡くなって相続に。申告期限まであと5カ月。

相談に来られたC様(60代男性)は、母親が亡くなって、相続税の申告の手続きの準備をしているが、頼んだところから報告がなくて不安になり、相談に来られました。相続人は兄と妹とCさんの3人です。

母親の財産は広い自宅と貸宅地と預金などの金融資産です。父親が亡くなった時に財産の半分を相続しているため、今回は二次相続で、配偶者の税額軽減の特例がありません。

依頼している税理士法人の試算では相続税は2億3000万円と聞いているとのこと。

 

■貸宅地が評価以下にしか売れない、自宅も切り売りしなくては

配偶者である父親は亡くなっていますので、配偶者の特例が使えませんが、同居する兄が自宅を相続することで500坪の自宅のうち、330㎡まで80%減額できる小規模宅地等の特例が使えます。

母親の財産は約7億円、相続税は財産の30%、2億円を超える額になりそうだといいます。

相続税の申告に関しては、毎年の確定申告を担当している税理士法人に依頼をされていました。

納税に関しては税理士法人が紹介してくれた信託銀行に依頼をしていました。売却の優先順位は貸宅地です。貸宅地の底地は2億円を超えると税理士法人で評価をされているので、その評価で売れると納税資金のおおよそのめどがつきます。ところが、売却を担当する信託銀行は「貸宅地は5000万円にしか売れない」という説明。自宅の敷地も半分ほど切り売りするようにと言われたのです。

 

 

■依頼しているのに親身になってくれない、納税資金は融資をする

依頼をしている信託銀行と税理士法人は質問しても回答が遅く、親身になってくれることはありません。これでは不安で夜も眠れない状態になり、いろいろと本を読んで、なんとかしなくてはという思いで相談に来られたことがよくわかりました。

税理士法人は相続税の節税ノウハウはないようで、提案もありません。売却を担当する信託銀行は5000万円でしか売れないので、納税に足りない分は系列の銀行が融資をするので借りて納税はできるという説明。とても他人事で、親身になってアイデアを出したり、アドバイスをしたり、方法を考えたりする気持ちは感じられません。

このままでは借金だけが残る相続となるため、両社を断ってもらい、あらたなチームで取り組むように決断をしてもらいました。

 

■専門家選びが大事 プランとコーディネートで成果を上げる

あらたなチームはプランとコーディネーとを夢相続が担当します。相続に強い税理士事務士を選び、相続登記は慣れた司法書士、土地の測量、分筆を担当する測量士も選びました。また、肝心な土地売却の仲介は不動産免許がある夢相続で担当します。

相続税の申告期限がある場合は、期限を意識しながら、専門家の間で意思の疎通を図り、連携する必要がありますが、この役割は相続コーディネートとして夢相続が担当し、相続人と専門家の間をつないで、成果を出せるようにします。

 

■納税に間に合うように売却のスケジュールを組む

相続税の申告期限は亡くなってから10ヵ月と決められています。Cさんが相談に来られたのは申告期限まであと5ヶ月という時期でした。

母親の預金は5000万円ほどなので、とても納税には足りません。どうしても貸宅地などの不動産を売って納税に充てなければならないことは明白です。

さらには売却代金を納税に充てるためには、売却が完了している必要があります。よって、申告期限までに売却を終えて、売却代金で納税するためのスケジュールを組んで、売却にあたるようにしました。

<売却のスケジュール>

1カ月目 物件調査、資料作成、購入候補へ物件紹介、土地測量開始、遺産分割協議書作成

2カ月目 購入申し込み受け付け、購入者の選定、売買契約締結①貸宅地、②自宅の一部、貸宅地相続登記 

3カ月目 土地測量立ち合い 

4カ月目 土地測量終了、越境物撤去、庭木移設など、①貸宅地売買決済

5カ月目 分筆登記、相続登記、②自宅一部売買決済、所有権移転、相続税納税

 

■オークション形式で、短期間に売却のめどをつける

相続税の納税期限に納付ができないときは、「延納」といって20年の分割払いを選択することもできますが、担保提供をしなければなりません。また、当然、利息も払うことになります。

土地で「物納」する方法もありますが、自分の金融資産があれば納税を優先するようにという条件があり、厳しい条件があるため、Cさんきょうだいはそれぞれに自分の金融資産などあり、「物納」は許可されないと判断されましたので、土地の売却が必須と言えました。

今回のように納税の期限が決まっている場合で、あまり時間がない場合では、決断に時間を掛けたり、融資が通らないための契約解除は避けたいところ。よって買主候補は確実に売買が成立できる法人としました。

 

■適正価格で購入してくれる希望者を見つける

そうした経緯があり、貸宅地の売却活動を始めたところ、信託銀行の提示額の3倍以上の価格で購入希望者があり、契約することができました。それでも相続評価の70%程度となりますので、相続税の申告時には、売買価格を時価として申告することも提案しました。

つぎの自宅の一部の売却は、広い敷地の中に建つ自宅を分筆し、残りの庭の部分を売却することにして、売買対象の面積を想定し、購入希望額を出してもらうようにしました。

500坪のうち、自宅は150坪とし、残る350坪を建売用地として売却するめども建てられました。

建売用地の場合は、500㎡を超える土地を開発する場合は、開発許可が必要になるため、その期間を取って決済することが多いのですが、今回は、契約から3か月程度しかありません。そうした条件も汲み取ってもらい、申告期限までに決済できるという法人を選ぶようにしました。

 

 

■貸宅地は時価申告、自宅の土地分筆でも評価減

貸宅地は評価が2億円以上のところ、1億5000万円での契約となりました。こうしたときは路線価評価ではなく、売買価格を「時価」として申告ができます。また、売買が完了するのは亡くなってから9か月後のため、不動産の時価が上がっている現在では時点修正として、上昇率を割り戻して減額をすることができます。よって多少ではありますが、時価よりも下がりました。

さらに自宅の土地は分筆することで、角地から一方の道路付けだけになったため、評価減となり、地形も変わったことでも減額となりました。

また、埋蔵文化財包蔵地のエリアのため、10%減額、向かいの区画に墓地があり、5%減額することなど、いろいろな減額要素を組み合わせて評価することで、2億3000万円と言われていた相続税は1億7000万円と、6000万円もの減額を実現することができたのでした。



■自宅の分筆登記が先、相続登記があとの順

自宅の土地は、測量ののちに、自宅部分と売却部分に分ける登記をするのですが、隣接地の所有者には道路を所有する県の立会いも必要で、境界の確認をしてもらう作業にかなりの時間がかかりました。

分筆までは相続人の合意のもとに亡くなった母親名義のままで登記し、分筆終了後に、相続登記をします。というのは、自宅は長男が相続し、売却地は3人名義となるため、分筆前に登記をしてしまうと、交換登記などが必要となるためです。

結果、境界立ち合いの印が集まるまでにじかんがかかり、登記が完了したのは、決済予定の1週間前でした。そこから相続登記をしてしまうと決済までには完了しません。

よって測量会社、司法書士、買主とも協議をし、売買決済時に同時に相続登記を申請し、所有権移転登記も申請するという方法を選択しました。

この判断により、売買の決済は予定通りに行うことができ、Cさんきょうだいは相続税の納税も済ませることができたのでした。

夜も眠れないほど困っていたCさんですが、夢相続に依頼し、適切なプランと売却をすることができ、本当に助かったと言って頂きました。相続人慣れた専門家選びをしないと借金だけが残る相続になったかもしれないという印象的な事例となりました。

 

■相続実務士のアドバイス

できる対策
売却は納税時期から逆算したスケジュールを立てる
資金計画を立てて、納税でき、財産を残す方向性を見つける
相続評価以下にしか売れない場合は時価申告する

注意ポイント
期限がある場合は、スケジュール管理が必須となり、
それに合わせて、測量や売買を進めていくことが大事。
登記の司法書士、申告の税理士、測量の土地家屋調査士、売却の不動産コンサルティングの
意思の疎通や連携が必須で、まとめ役となる相続実務士の役割が大きい。

 

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