事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
夢相続 解決レポート
親から相続した借地権を整理し、自宅・収益・相続対策を同時に実現した相続設計

【相談者の事情】
、
Yさん(60代・女性)は、お父様から相続した借地権付きの自宅に長年住んでいました。
また、自宅の隣には、お父様が建てた借地権付きの収益アパートがあり、家賃収入は長年ご家族の生活を支えてきました。
しかし、建物の老朽化が進み、借地権であるため、更新や譲渡、建替えの際には地主との協議や承諾が必要となります。将来、娘さんたちへ相続した場合、その負担を残してしまうことを心配されていました。
Yさんにはご主人と二人の娘さんがいます。長女は独身、次女は結婚して二人のお子さんがいます。
「父が残してくれた財産を大切にしたい。しかし、子どもたちには借地権という負担を残したくない。」
さらに、ご主人の老後の生活費や介護費用、娘さん二人が将来揉めることなく財産を承継できる方法まで考え、「今のうちに資産全体を見直したい」と夢相続へご相談いただきました。
【資産構成】
相談時の主な財産は次のとおりでした。
- 借地権付き自宅
- 借地権付き収益アパート
- 預貯金
- ご主人
- 長女
- 次女
一見すると十分な資産がありましたが、自宅も収益アパートも借地権であることが最大の課題でした。
【課題の整理】
借地権は相続できる財産ですが、
- 地主との関係が続く
- 更新や譲渡時に承諾が必要になる場合がある
- 建替えや売却が自由にできない
- 子ども世代へ管理や交渉を引き継ぐ必要がある
など、所有権にはない負担があります。
また、収益アパートは築年数が経過し、今後は修繕費や管理負担の増加も予想されました。
さらに、
- ご主人が年金だけで生活できるのか
- 娘二人へ公平に財産を承継できるか
- 相続税をできるだけ抑えられるか
という課題もありました。
つまり、この相談の本質は「借地権をどうするか」ではなく、
家族全員が安心して暮らせる資産へ組み替えることだったのです。
【提案(ソリューション)】
夢相続では、借地権の問題だけを解決するのではなく、資産全体を見直す「相続設計」をご提案しました。
借地権を売却する場合、最も有力な売却先は地主さんです。今回は地主さんが借地権を買い戻す意向を示され、相続税評価額に近い価格で買い取っていただけることになりました。借地権の売却は必ずしも希望どおりに進むとは限らないため、非常に恵まれたケースだったと言えます。
もっとも、売却交渉はすぐにまとまったわけではありません。地主さんとの協議や条件調整を重ね、売却が成立するまでには約1年を要しました。
その間に重要だったのが、新しい住まいの確保です。借地権を手放した後に住む場所がなければ生活に支障をきたすため、売却と並行して住み替え先を探しました。
幸い、ご希望どおりのエリアで、ご夫婦と長女が安心して暮らせる所有権の中古マンションが見つかり、住み替えを実現することができました。
さらに、借地権付きアパートを売却して得た資金については、そのまま現金で保有するのではなく、管理しやすく流動性の高い区分マンション2室へ組み替えることをご提案しました。
区分マンションには、
- 安定した家賃収入が期待できる
- 管理会社へ管理を任せられる
- 修繕リスクを分散できる
- 将来売却しやすい
- 相続時に分割しやすい
というメリットがあります。
また、2室保有することで、将来は娘さん二人へそれぞれ承継しやすい資産構成となります。
さらに、ご主人には区分マンションの家賃収入を老後の生活費として活用できるよう設計しました。
年金だけに頼るのではなく、安定した収入源を確保することで、将来の生活や介護費用への不安を軽減することができます。
このように、借地権の整理から住み替え、収益資産への組み替えまでを一つの流れとして設計したことで、「住まい」「収益」「相続」「老後の生活」という四つの課題を同時に解決する相続設計を実現しました。
【解決(成果)】
今回の相続設計により、
- 借地権という承継リスクを解消
- 所有権マンションへの住み替え
- 老朽化した借地権アパートを整理
- 区分マンション2室による安定した家賃収入を確保
- 管理負担を軽減
- ご主人の生活資金を確保
- 娘二人が相続しやすい財産構成を実現
さらに、財産の組み替えにより、
|
項目 |
対策前 |
対策後 |
|
相続税評価額 |
14,341万円 |
13,011万円 |
|
相続税概算額 |
1,369万円 |
1,136万円 |
となり、
相続税評価額は約1,330万円圧縮、相続税は約233万円軽減することができました。
相談者からは、
「父が残してくれた借地権を手放すことに迷いもありましたが、子どもたちに負担を残さず、主人の生活まで考えた提案をしていただき、本当に安心しました。」
というお言葉をいただきました。
【相続実務士の視点】曽根メソッド
今回の事例で重要なのは、「借地権を売却したこと」ではありません。
借地権付きの自宅と収益アパートを、所有権の自宅と収益不動産へ組み替えたことにあります。
相続対策というと、節税ばかりに目が向きがちですが、本当に大切なのは、
- 誰が住むのか
- 誰が生活費を確保するのか
- 誰が管理するのか
- 誰にどのような形で承継するのか
までを一体で考えることです。
今回の相続設計では、
- 借地権の承継リスクを解消
- 相続税を約233万円軽減
- 家賃収入を維持
- ご主人の老後資金を確保
- 娘二人へ分けやすい財産へ再構築
という五つの課題を一度に解決することができました。
相続は、単に財産を残すことではありません。
家族が安心して暮らし、次の世代へ負担なく承継できる資産を設計すること。
それこそが、夢相続が提唱する「相続設計」の考え方です。
相続対策というと、「節税」だけに目が向きがちですが、それだけでは本当の問題は解決できません。
家族が安心して住める住まいがあること。
老後の生活費を支える家賃収入があること。
子どもたちが公平に相続できること。
管理の負担が少なく、売却もしやすいこと。
これらを総合的に考えて初めて、「相続設計」と言えます。
夢相続では、不動産を売ることや買うことを目的にはしていません。
家族構成、生活設計、相続税、収益性、承継方法までを総合的に考え、「家族全員が安心できる資産の形」をつくることを大切にしています。
今回の事例は、借地権という課題を解決しただけではなく、自宅、収益、生活費、相続、承継という五つの課題を一つの設計で解決した好例でした。
相続は、財産を残すことではありません。
家族が困らない形で財産を承継すること。
それこそが、夢相続が提唱する「相続設計」の考え方なのです。
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■執筆者
相続実務士 (株)夢相続 代表取締役 曽根恵子
【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
”相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。
- 相続関連著書・監修:92冊、累計88万部テレビ・ラジオ出演:300回超
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