事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
45年間の実家共有。解決しないと財産にならない!
今回は、70代のY様(仮名)の事例をもとに、「長年使えなかった共有財産を整理し、換金するまでの流れ」をお伝えします。Y様は、長年連れ添ったご主人を数年前に亡くされ、ご自身の生活や将来に備えるために、夫の実家の共有名義問題を解決したいと夢相続に相談に来られました。
Y様は図書館で30冊以上の本を読んで、相談するなら曽根さんしかいないと、たくさんの書類を抱えて来られたのでした。
ガンで闘病されていたご主人が亡くなり、相続手続きをしないといけないのですが、それにはご主人の実家の共有問題がありました。
■ご相談のきっかけ
Y様のご主人は、亡くなるまで実家の名義を45年間ずっと残していました。ご自身やY様が住む予定はなく、使用も管理もできなかった実家の名義。しかし、なぜそこまで名義を残していたのでしょうか。それは、ご主人の家族への思いと配慮の表れでした。
- 家族との絆を守るため
ご主人は、独身の姉や兄弟との関係を大切にしていました。安易に名義を手放すことで将来争いが起きることを避けたかったのです。 - Y様への配慮
病床にあったご主人は、「姉に買い取ってもらう」という方向で調整し、万が一自分が先に亡くなっても、Y様が円滑に権利を行使できるように考えていました。 - 使わないものでも大切に扱う姿勢
実際には45年間、住むことも管理することもできませんでしたが、将来の選択肢を守るために権利として保持していたのです。
こうした思いを尊重しつつ、Y様は「権利を活かして生活や将来に役立てたい」と考え、夢相続に相談に来られました。
■家族構成と財産の状況
Y様のご主人は5人兄弟の末っ子で、亡くなった母親の財産も整理しきれていませんでした。今回の課題は、夫の実家の共有名義です。
- 姉(80代):独身で長年実家に居住
- ご主人(故人):持ち分4分の1の名義
- Y様:相続予定者、実家には住む予定なし
結果として、実家はY様の夫と姉との共有状態。昭和55年から45年間、夫の持ち分は実質的に使えず、権利だけが残されていました。Y様としては、この持ち分を換金して生活や将来に役立てたいという思いがありました。
■現状の整理と課題
Y様の夫が持つ自宅の持ち分は4分の1、姉の持ち分は4分の3。この状態では、Y様の権利を現実的に活かすことができません。また、共有部分を売却・換金するためには、姉の協力が不可欠です。無理に進めると家族関係が悪化する恐れもありました。
Y様は「感情的な争いは避けたい」と強く思っておられ、まずは現状の権利確認を優先することになりました。
■夢相続のサポート方針
私たちは、次の3つのステップでサポートしました。
- 登記簿・権利書の確認
- 自宅の登記情報を精査し、夫の持ち分4分の1が正確に存在していることを確認
- 過去の増与や名義移転が適正に行われているか整理
- 共有者との調整
- 姉との関係を尊重しつつ、換金や権利行使の可能性を話し合い
- 法的主張だけでなく、納得のいく形で進める
- 換金方法の検討
- 共有持ち分の換金は、第三者への売却や共有持ち分買取など
- 市場価値や手続きコストを見極め、Y様にとって最適な方法を提案
この時点で、Y様は「自分の持ち分を無駄にせず、姉とも関係を壊さずに進められる」と安堵されました。
■共有持ち分換金の具体例
共有名義の持ち分を換金する場合、主に次の3つの方法があります。
- 共有者に買い取ってもらう(姉の場合)
- 最もスムーズでトラブルが少ない
- 売買価格は市場価値の持ち分に応じて設定可能
- 第三者に売却
- 共有持ち分だけを第三者に売却
- 割引価格になることが多く、買い手が見つかるまで時間がかかる
- 共有物分割請求(裁判手続き)
- 最終手段として検討
- 費用と時間がかかり、家族関係の悪化リスクも高い
Y様は、感情的な争いを避けるため、まずは姉に買い取ってもらう方法を検討しました。
市場価値の計算例
仮に自宅の市場価値を4,000万円とします。
- 夫の持ち分4分の1 = 4,000万円 × 1/4 = 1,000万円
- 共有持ち分だけを第三者に売却する場合、割引20%とすると 1,000万円 × 0.8 = 800万円
- 姉に買い取ってもらう場合は、関係性を考慮して1,000万円での合意も可能です
■夢相続がサポートするポイント
Y様の場合、次の手順で支援します。
- 現状の権利確認
- 登記簿を確認し、夫の持ち分4分の1が正確に存在することを確認
- 過去の増与・売買の経緯を整理
- 姉との調整
- 売買条件、金額、支払い方法、登記スケジュールを合意
- 換金の実行
- 持ち分売買契約書を作成
- 登記変更を申請
- 現金化
このプロセスにより、Y様は権利を確保しつつ、姉との関係も守りながら換金することができます。
■実務上の注意点
- 書類整理
- 権利証、登記情報、過去の増与・売買記録を整理
- 後々のトラブルを防ぐ
- 権利確認
- 現状での持ち分、将来的に換金可能かを整理
- 市場価値の見極め
- 共有持ち分は単独で売ると割引される
- 親族間の合意なら正規価格で換金可能
■Y様の学び
共有名義の財産は、権利を確認してこそ活用できます。長年住む親族がいる場合、単純に権利を主張するだけでは解決できません。感情面を配慮しつつ、法的手続きを整理することで、無駄なく資産を活かせます。
Y様は換金した資金を生活費や将来の医療費、老後資金に充て、安心して暮らせるようになりました。長年悩んでいた「使えない持ち分」の問題を解決し、家族関係も維持できました。
■まとめ
共有名義の財産を整理するポイントは次の通りです。
- 現状の名義・権利を確認する
- 過去の増与・売買や登記手続きを整理する
- 共有者と話し合い、権利行使の方法を決める
- 換金や管理を安全に進める
相続は「争い」ではなく、「家族の未来を守る整理」です。権利確認と手続きを早めに進めることで、安心して財産を活用できます。Y様は現在、姉との話し合いを進めながら、将来に向けた安心を手に入れる準備をしています。こうした複雑な共有財産も、適切に整理することで生活の安定や将来設計につなげられるのです。
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■執筆者
相続実務士 (株)夢相続 代表取締役 曽根恵子
【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
”相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。
- 相続関連著書・監修:92冊、累計88万部テレビ・ラジオ出演:300回超
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