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相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

80歳を迎える母の相続、どう備える?特例を適用するためには? ─ Sさんが抱えた“2億円の相続”と、夢相続で見えた最適解とは ─

■障害のある長男ではなく次男に相続させたい

相続の相談にいらっしゃる方の多くは、
「具体的に何から始めればいいのか分からない」
「相続税がどれくらいかかるのか不安」といった悩みを抱えています。

 

今回ご紹介する Sさん(次男) も、まさにそのお一人でした。

 

Sさんのお母様は、来年80歳を迎えられる都内在住の方。ご自宅は地下1階付きの鉄筋3階建てで、1~2階に母と長男が居住、3階は賃貸に出しています。

長男の方は3級程度の障がいがあり、東京都からの支援と銀行勤務のお給料があるため、「将来の生活資金は十分確保できている」というのが、お母様の判断。

 

そのため、相続は主にSさんへ考えておきたい──
こうしてSさんは夢相続のオンライン相談にお越しくださいました。

この記事では、
・お母様の保有資産
・相続税の概算
・大幅節税につながる具体策
・今後の行動計画

など、実際の面談内容を分かりやすくまとめてご紹介します。

 

ご家族構成が似ている方、親の相続への不安を抱えている方には、特に参考にしていただける内容です。

 

1.Sさんのご家庭・ご家族の背景

まず、相続対策において最も重要なのは「家族構成」と「暮らし方」です。
今回は以下のような構成でした。

  • お母様

都内にお住まい。来年80歳。
自宅は地下1階+地上3階建ての鉄筋造。
1〜2階にお母様と長男が居住、3階は賃貸中。

  • 長男(Sさんの兄)

・障害等級3程度、・東京都の支援あり
・銀行勤務で安定収入あり
・独身でお母様と同居
※将来の生活に必要な資金は十分とのお母様判断。

  •  Sさん(次男・相談者)

・結婚歴あり、再婚
・前妻との間にお子様あり、
・現在は別居、再婚した妻と二人暮らし

このような背景から、お母様は「相続は主にSさんに多く遺したい」
というお気持ちをはっきりお持ちでした。

 

2.お母様の資産状況(総額:約2億2,900万円)

ご相談の核心となるのが「財産内容」です。
Sさんのお母様の資産を整理すると、以下のとおりです。

 

区分

内容

評価額(概算)

自宅土地

都内(路線価65万円/㎡)

約7,475万円

自宅建物

地下1階+3階(築20年)

約1,000万円

都内アパート(土地)

駅徒歩5分(木造8戸)

約8,000万円

都内アパート(建物)

 

約1,500万円

新潟県工場用地

1,271㎡

約3,000万円

新潟県工場建物

昭和33年建築

約100万円

預貯金

 

約3,000万円

生命保険

 

約1,000万円

 

合計:約2億2,900万円

 

一般の方から見ると「そんなにあるとは思わなかった」
というケースが大変多いのですが、今回もまさにその典型です。

実は“都内の自宅”と“賃貸アパート”があると、
それだけで 相続税の課税ライン(5,000万円)を軽く超える ことがほとんどです。

 

3.相続税の概算は…約4,200万円

相続人は Sさんと長男のお二人
相続税には基礎控除があり、計算式はこうなります。

 

3,000万円+600万円×相続人の数(2人)
=4,200万円

 

これを差し引いて計算すると、
概算の相続税額は 約4,200万円

 

資産2億円台のご家庭としては「標準的」といえる金額ですが、
4,000万円超の相続税は決して軽い負担ではありません。

そこで必要になるのが、
「合法的に評価を下げる対策」=節税プランです。

 

4.節税対策のポイントは「同居」と「不動産の評価減」

夢相続がご提示したシミュレーションでは、対策をすることで相続税が 半分以下にまで減らせる 可能性が見えてきました。順に解説します。

 

自宅にSさんが同居すると評価額が80%下がる(小規模宅地等の特例)

今回最大の節税効果になるのが特例を適用することです。

 

小規模宅地等の特例(同居特例)
──自宅の土地の評価が 80%減

自宅土地(約7,475万円)は、なんと 約1,475万円 まで評価が下がります。

節税効果はおよそ 2,400万円

 

つまり、同居するだけで相続税が半分近く減る、という非常に効果的な制度です。

 

  • 同居するための現実的な方法

・3階をリフォームしてSさん夫婦が住めるようにする
・これにより、


 ①家族の生活が安定
 ②お母様の見守りが可能
 ③相続税が大幅減


という “三方よし” の状態になります。

 

アパート(貸付不動産)は50%評価減の対象

Sさんのお母様は都内の別の場所に8世帯の賃貸アパートをお持ちです。
貸付不動産は「貸付宅地特例」の対象となり、土地評価が50%減

約8,000万円 → 約4,000万円へ評価減。

建物も「固定資産税評価」がベースになるため、市場価格よりかなり低くなります。

 

工場用地も評価減

地方の工場用地は借地権割合などを考慮すると、実勢価格より評価が下がりやすい資産です。今回の試算では、約3,100万円 → 約1,860万円という大幅な圧縮が可能と見込まれます。

 

預貯金は“不動産への資産組み替え”で評価減に

預金3,000万円は、そのままだと 3,000万円のまま評価 されます。

しかし、・相続税対策になる不動産 、・収益を生む不動産へ組み換えると評価が大きく下がります。

さらに、年金不安のあるご家庭では「老後資金確保」の意味でも重要です。

 

5.節税後の財産総額は約1億1,000万円

ここまでの特例を適用した結果がこちらです。

区分

特例前

特例後

自宅

8,475万円

1,475万円

アパート

9,500万円

4,750万円

地方の土地建物

3,100万円

1,860万円

預貯金+保険

4,000万円

3,000万円

 

特例前の合計:約2億2,900万円

特例後の合計:約1億1,000万円

1億円の評価減 に成功。

相続税はおおよそ半分程度まで下がる見込みとなります。

 

6.さらに重要なのは「遺言書」

資産が整理できたら、次に必要なのが
公正証書遺言 の作成です。

 

特に今回は…
・長男には生活資金が十分ある
・Sさんに多めに遺す理由も明確
という背景があるため、


公平性の説明 をしっかり文面に残しておくことがとても大切です。

夢相続では公証役場との調整、証人手配までサポート可能。
費用は約22万円です。

 

7.今後のアクションプラン(時系列)

対策は段階的に行うことが大切です。
今回のご家庭の場合、以下の流れが最もスムーズです。

 

【〜数ヶ月以内】

  • 家族会議 → Sさん同居の可否を決定
    ● お母様の意思確認
    ● 遺言の方針を確定

【半年以内】

  • 公正証書遺言の作成
    ● 自宅3階のリフォーム計画
    ● 不動産や預金の配分確認

【1年以内】

  • 正式な財産評価書の作成
    (精密評価により60万円前後)

【継続的に】

  • 不動産の見直し
    ● 税制改正への対応
    ● 毎年の現金・保険の管理

 

8.相続実務士が見た今回の“成功ポイント”

今回のSさんのケースは、節税の余地が非常に大きく、対策をすれば相続税が劇的に変わる典型例 でした。特に重要だったのは以下の3点です。

 

自宅に「同居できる状況」があった

同居できる家族がいるだけで節税額は数千万円単位で変わります。

 

アパート・工場用地など“不動産が多い”

不動産は評価を下げる余地が大きく、節税の中心になります。

 

お母様の意思が明確

「Sさんに多く遺したい」とはっきりされていたため、遺言の方向性が見えやすい。

Sさんは方向性が見えたので、早急にお母さん、お兄さんと話をするということです。夢相続では“相続プラン”と“公正証書遺言”のサポートをご提案しています。

 

9.最後に 相続は“早く取り組んだ人が勝つ”

今回のSさんのように、
・親が80歳前後
・不動産を複数所有
・兄弟間の公平性に課題がある


というご家庭は非常に多く、
相続対策が“遅れると損をする”典型でもあります。

特に 同居特例は「いつ同居を始めたか」が極めて重要 です。

 

少し対策が後れるだけで
本来使えるはずの特例が使えなくなることも。

 

相続は“専門家で節税額が変わる”

夢相続では、

 

・不動産の専門評価
・相続の特例活用
・家族事情に基づく遺言づくり
・不動産の組み換え
・申告まで一貫サポート

 

という“相続実務士®ならではの総合力”で、
最適なプランをご提案しています。

 

「自分の家はどうなるの?」
「現状で相続税はいくら?」
「何から手を付ければいい?」

 

という方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

🌸 相続でお悩みの方へ

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そんな方は、ぜひ一度【夢相続】へご相談ください。

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■執筆者

相続実務士 (株)夢相続 代表取締役  曽根恵子

【相続実務士】の創始者として1万15000件の相続相談に対処。
夢相続を運営し、感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案。
”相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。

  • 相続関連著書・監修:92冊、累計88万部テレビ・ラジオ出演:300回超
  • 新聞・雑誌取材:1,000回超
  • セミナー:600回超

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