夢相続コラム

弊社の活動内容や日々のできごと、お知らせなどをお伝えします

【相続相談コラム】これからの相続対策は父親+子供のリレーで。信託契約が必要。

2019/12/24


家は長男が継ぐもの?

Nさん(60代・女性)の義父は自宅で一人暮し、義母はすでに亡くなりました。Nさんの夫は長男ですので、両親と同居して、家を継ぐ立場にありますが、仕事がら転勤族で、子供たちの教育を考えて、実家に同居することはできずに、Nさんの実家近くの立地に、家を購入して生活をしてきました。
義父の考えは、家は長男が継ぐものという思いしかないようで、暗黙の了解があり、夫もそう考えているようですが、義弟が敷地の一部に家を建てて住んでいるので、いまさら長男としてもどる必要があるのかという思いもあります。
一昨年、Nさんの夫はリタイヤし、定期的に義父の様子を見に実家に帰るようになり、Nさんも一緒に行くことや話を聞くことが増えました。義父の年齢的なことや体力的なことを考えると、そろそろ相続のことをきちんとしてもらいたいという思いがあり、夫婦で相談に来られました。

弟には贈与している、不公平感

義父の財産は、自宅とアパート、畑、山林などがあり、家賃収入もあります。自宅は300坪ほどあり、弟の家が50坪ほどの敷地に建っている以外は自宅の敷地です。
義父から聞いたところでは、教育資金贈与の特例がスタートしたとき、弟の子供はまだ二人とも未成年の学生だったことから、1人1000万円ずつ贈与をしたということです。また、家を建てる時の資金も一部、父親が貸しているといいます。
Nさんの子供はすでに成人で教育資金贈与の特例には該当しなかったことから贈与を受けていませんし、自宅の購入についても夫が自力でローン返済をしてきました。
相続人ではないNさんにとっては、これだけ聞いても不公平感があるので、相続のときにうまくバランスが取れるようにしてもらいたいというのが本音だということです。

後見人をつけるように

また、現在は自宅で生活ができていますが、金融機関に出向くことなどは徐々にできにくくなっており、ある金融機関からは手続きが大変なので、後見人をつけるようにと勧められています。それも迷っているということでした。
義父の財産は不動産だけでも基礎控除を超えており、相続税の申告が必要です。相続税の節税対策もしたほうがいいと思えますが、課題は父親の意思能力です。

民事信託も選択肢

現在、父親の状態が問題なさそうであれば、まだ、後見人は立てないほうがいいという判断になります。後見人を立ててしまうと父親の財産は管理されてしまい、贈与も活用もできなくなるのです。
この先、贈与や不動産対策が必要な場合は、義父と夫が民事信託契約をして、父親の財産を夫に託しておくようにすれば、安心です。
いまのうちに分割案も話し合っておき、親子、兄弟の合意の上で、信託契約、遺言書、節税対策などができるようにすることをお勧めしました。
Nさん夫婦は、すぐに実家に行って義父母や弟と話をすると言って帰られました。暗黙の了解で長男が家を継ぐものと思っていても、そのとおりに進まないことがあるかもしれず、弟がさらなる贈与を受けてしまうこともあるかもしれません。
そうした不信感や不公平感を引き出さずに、対策をしたいもの。いよいよ先送りできないと言えます。

相続実務士から

暗黙の了解があっても、感情的なすれ違いがあれば、うまくいかないこともあります。不公平感がないように、オープンに対策するよう、義父母や弟に働きかけるようにオススメしました。

弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。

 

 

コラム執筆

まずはお気軽にご相談ください

相続は100人いれば100通り。お客様にとって最も好ましいオーダーメード相続。

代表・曽根恵子とスタッフが、相続に関するご相談を約1時間の面談でしっかりお伺いします

noimage

受付時間:月〜金(祝日のぞく)10:00〜17:00