夢相続コラム

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【相続実例コラム】申告・遺産分割協議・売却:父親の意思を生かして分割協議をした田中さん

2020/06/25


【相続実例コラム】申告・遺産分割協議・売却:父親の意思を生かして分割協議をした田中さん

●相続関係者

被相続人 父(配偶者故人)
相続人5人(子供5人、先妻の長男・相談者、長女、次女、次男、後妻の長男)

●相続事情

田中さんの父親は戦争を体験し、家族とともに外国へ赴任した経験をお持ちです。その後、終戦とともに故郷へ戻ってきたということです。戦後、父親は東京に出てきて公務員となり、現在の住まいに居を構えました。その間、先妻が亡くなったことから、再婚をして後妻と生活をしていましたが、後妻も10年以上前に亡くなり、晩年は1人暮らしをしておられましたが、92歳で天寿をまっとうされました。1人暮らしの間は、先妻との間の長男である田中さん家族がすぐ近くに住み、日頃の面倒を見てきたということです。
父親の相続人は、先妻との間の子供4人と、後妻との間に子供1人の5人ですが、異母兄弟姉妹は普段から行き来があり、問題は何もありません。
父親は生前、子供達にそれぞれ現金や土地を贈与しており、それで財産分与とすることを常日頃から話をしていましたので、全員も了解していました。
田中さん家族が住んでいる自宅の土地も、父親から少しずつ贈与を受けています。現在はまだ3分の1が父親名義です。
相続財産としては、父親が住んでいた土地、建物、田中さん宅の土地、田舎の土地、預金等があります。

●相談者にこられたきっかけ

父親は、以前より相続税が大変だと聞いており、異母兄弟でもあることから、公正証書遺言を作成していました。ほとんどの財産をまだ自宅土地の贈与が済んでいない田中さんに相続させるとしていましたので、それに関する内容に異論はありませんが、田中さんが心配しているのは、別の土地のことです。
祖父から相続した田舎の土地200坪が父親名義で残っており、その土地については子供達5人で相続し、売却して相続税を払ったあと残りを分けるようにと記載されていました。ここで問題となったのは、「子供5人に均等に相続させる」という文言です。
父親の意図は理解できますが、実務的には土地の名義は各5分の1の共有となり、売却代金も5分の1となると、相続税を一番多く払う田中さんには、相続税が払えないのではないかという不安がでてきたのです。
それが不安となり、書店で私の本を買って読んだことから、どうしたものか知りたくて、相談に来られたのでした。

●運命の分岐点・ここがポイント

☆大部分は遺言を生かす
そこでこちらが提案したのは、共有とする土地以外は、遺言書の内容で差し支えがないので、遺言書を執行することです。遺言のままで全員が納得する内容であれば、あらためて遺産分割協議をしなくてもよいと判断しました。問題は、共有とされる土地です。

☆1筆の土地だけは分割協議をする
共有とされる土地は、「子供5人に均等に相続させる」とする内容では、納税等に不都合が生じます。この不安を解消するには、この土地についてのみ、全員で遺産分割協議をして、全員が相続分に合わせて無理なく相続税を払える割合で相続するか、あるいは、田中さんが1人で相続し、売買代金から納税や諸費用を差し引いた残りを代償金として他の妹弟に払う内容の遺産分割協議をする方法のいずれかがいいのではないかという提案をしました。

☆売却は早める
そのためには売却を進めて早めに売却価格を決める必要が出てきますが、価格の目安ができれば田中さんの不安は解消され、納税資金も捻出できることになります。
幸い、兄弟姉妹間の意思の疎通は図れるので分割協議はできるとのことで、安心したとのこと。

●相続実務士の視点

公正証書遺言を作成するときには、公証人の先生がアドバイスをし、証人も2人必要となります。田中さんは相続人ですから、内容は聞かされていませんでしたので、亡くなってからはじめて内容を知り、実際はどうしたものか困ったということでした。
申告、登記の実務を考えると遺言の内容は、現実に即しているとは言えず、納税や財産分与までを想定した内容であればよかったのに、と思えました。
お金のやり繰りは田中さんの奥さんがしなくてはならないので心配をして一緒に来られましたが、解決方法があることを説明すると本当に喜んでおられ、安心したとのことで、笑顔で帰られたのでした。
その後は、こちらがコーディネートをさせて頂き、遺産分割協議、申告、納税を無事に終えて頂くことができたのでした。

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