夢相続コラム

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【経済面の失敗】いいところから物納される!鎌田さん

2021/12/22


【経済面の失敗】いいところから物納される!鎌田さん

財産とご家族の状況

●依頼者 鎌田さん・(男性 50才代)
●相続人 相続人3人(配偶者、長男・鎌田さん、次男)
●財産の内容 自宅不動産、貸店舗、アパート、駐車場、畑、預貯金

【相続事情】物納がなかなか進まないのが不安

鎌田さんの父親は農家の分家で、自宅近くの畑を耕作してきました。農地と言っても市街化の中で、自宅は最寄りの私鉄の駅より徒歩2分、遠い土地でも徒歩5分程度。まわりには住宅が建ち並んでおり、畑として耕作する環境ではなくなっています。鎌田さんの父親は借金が嫌いで、どうしても必要な場合や親戚の不動産業者に売ってほしいと頼まれたときなどに土地を少しずつ切り売りしてきました。それでもまだまとまった畑があるので、相続税がかかれば畑を物納か売却するようにと鎌田さんに話していました。すぐに利用できるようにと生産緑地の指定もしていませんでした。

相続人は配偶者と子供二人で、アパート等の生前対策は全くしていないので、負債はありません。

相続税の申告は、農協が紹介してくれた税理士に依頼しました。相続税は約3億円だとのこと。配偶者の無税ですから、鎌田さんと弟の二人で納税するのは2億3000万円となりました。税理士には、父親の言っていたとおりに畑を物納か売却するつもりだと話したところ、その畑を物納することで申告は進められました。納税に関して他にはアドバイスもなく、そのまま物納申請をしたのです。

ところが手続きがなかなか進みません。不安になって相談にこられました。

課題

申告書類を確認すると、配偶者の取得割合が39%しかなく、無税の枠には11%が満たされていないことから、節税の機会を逃していました。配偶者と鎌田さんで取得割合を調整すればいいことであり、4000万円は節税できたのです。しかし、一度決めると遺産分割は変えられないので致命的な失敗です。

次に納税は他の方法でもできると判断しました。別の駐車場にしてある土地の方が、前面道路が狭いことなどから、納税用としたほうがいいと言えました。鎌田さんの畑は800坪のうち、税額に足りる分として南側の650坪を物納地とし、北道路の細長い150坪を残地としてありました。残る土地の価値や利用から考えると、物納する南側がいいに決まっています。まさにいいところから物納されるという印象は拭えません。

解決へのアドバイス・・・申告が終わってすぐに更正請求

鎌田さんが相談に来られたのは、申告後5ヶ月目で、更正請求ができる1年間には、まだ十分に時間がありました。そこで、相続税を下げるべく、申告評価をし直して、更正請求をすることを提案しました。畑と駐車場の2カ所について区画割り図を作成し、評価をし直すことで1億5000万円の評価減をすることができ、相続税は9000万円下げられると想定できました。

物納予定の畑は、全体で800坪あります。将来的なことを考えると物納する650坪は整形地でまとまっており、無くすには惜しいと思われました。まずは物納を取り下げて、別の納税方法を検討することを提案しました。

鎌田さんはこうした提案を理解頂き、相続税の更正請求をする決断をされました。納税が減ったこともあり、駐車場は4区画にしてすぐに売却が決まりました。150坪の土地も5区画の住宅用地として売却でき、納税は済ませることができたのです。
残る650坪には、賃貸マンションを建てて維持していくことを提案し、収益を上げながら維持できることを考えました。

相続実務士から

物納を取り下げて残した650坪の土地には、収益をあげるために24世帯の賃貸マンションを建設しました。物納で無くしてしまえばそれで終わりですが、この賃貸事業は、あらたに財産を相続した鎌田さんの節税対策も兼ねた事業であり、収益を得ながら対策が実現しています。

鎌田さんは、物納の手続きが進まないことで困ってしまい、本を読んで相談に来られました。税理士も測量会社も親身にはなってくれなかったため、両者への信頼をなくしてしまったようです。

鎌田さんはこちらの提案に対してすぐに決断をされました。それにより、相続税の節税ができ、ようやくほっとされたのです。賃貸マンションは鎌田さん名義の土地の有効利用なので、これについても決断は早く、とても順調に進みました。1LDKと2LDKの明るい間取りの健康住宅になりましたので、いいところを物納しなくてよかったと喜んで頂きました。

相続実務士からのアドバイス

納税を目的とした物納や土地売却は条件の悪いところからにし、収益のあげられる土地は残すようにすると、維持がしやすくなります。遺産分割の案を考えるときには、全体と将来のバランスを考慮する必要があります。家族間の同意があれば配偶者の特例を最大に利用することで納税の負担が減らせ、余裕が生まれるので、遺産分割案は相続に慣れた専門家のアドバイスを受けたほうがいいでしょう。

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