夢相続コラム

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【相続相談事例】空白の13年は封印。傷を最小限にできることを優先した

2022/06/22


【相続相談事例】空白の13年は封印。傷を最小限にできることを優先した

 

■父親と母親ともに遺産分割ができていない

 

Fさんが相談に来られて、聞いてみるとご両親の相続手続きができていないと

いうのです。

 

父親は13年前に亡くなり、その後、1人暮しをしていた母親が昨年亡くなりました。

Fさんは長男で、弟と妹がいます。

 

両親と同居しているこどもはなく、母親は80代半ばまで1人暮しをして、その後

しばらくは介護施設で生活して、亡くなりました。

 

■父親の金融資産が減っている

 

13年前に父親が亡くなった時、相続税の基礎控除は9000万円でしたので、

母親と共有の自宅と金融資産ではその範囲に入っていたのかと思われますが、

遺産分割協議もせずに年月が経ちました。

 

それには理由があり、父親が入院して、その後、介護施設に入ることになり、

預金の管理は母親では大変だと、妹に任せた時期がありました。

 

仕事が忙しいFさんや弟よりも、妹のほうが適任と思ったからですが、入出金を

報告するようにと言っても報告しないことが続き、不審に思ったFさんは通帳を

取り上げて、自分が管理をするように切り替えました。

 

確認すると多額の現金が引き出されており、問い詰めても妹からは返事がなく、

Fさんは、妹には実家に出入りするなと通告したのです。

 

 

■きょうだいだけでは話ができない

 

そうしたことから妹と溝ができ、妹に同調した弟とも疎遠になり、13年が

経過したのです。

 

母親が亡くなったことをきっかけとして、いよいよ父親も含めた相続の手続きを

してしまいたいところ、弟、妹とは円満な話ができそうにないといいます。

 

■過去にとらわれていると進めない

 

Fさんとしては、妹が引き出したであろう預金について、本人から明確な説明を

してもらい、それができたら相続手続きに入りたいということです。

 

しかし妹にも言い分があるでしょうから、過去に戻って追及することがよしとは

言えません。

 

そこで、こちらで提案したことは、いま残っている財産について遺産分割協議を

しようと全員が同じ考えとなり、取り組んだ方がよいこと。それができるので

あれば、サポートしますということでした。

 

その2か月後にまたFさんが来られて、残っている財産について3等分することで

弟、妹にも伝えて了解を得たのでお願いしますと言われたのです。

 

空き家の自宅を処分し、母親の預金を解約、費用や税金を払った残りを3等分

することで全員の合意が得られて、別々に遺産分割協議書の調印ができました。

 

これから自宅を売却、換金して、3人に等分に分ける実務に入ります。

 

■相続実務士より

13年の溝は簡単には埋められませんが、全部を明らかにするための調停で

疲弊するよりは、前向きな選択肢だとおススメしました。

 

家庭裁判所の調停で過去のことが明らかになるとは限らないのです。

傷を広げるよりは、早く終えられることを優先しました。


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