夢相続コラム

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【遺言書がなくてもめた実例】<兄vs妹>親の面倒も見なかったのに兄が権利を主張する

2022/08/16


 

【遺言書がなくてもめた実例】<兄vs妹>親の面倒も見なかったのに兄が権利を主張する

 

■Wさんのプロフィール・・・会社員、妻と2人の子

 

<相続人関係図>

被相続人 義父

相続人  兄・妹(Wさんの配偶者)2人

 

■義父と義姉のために家を建てて同居、区分所有した

Wさんは、義父と共有名義の家を所有しています。土地は義父の名義ですが、3階建ての1階は義父、2,3階はWさんの区分所有で登記をしています。当然、費用もその割合で負担しました。他の場所にマンションを購入して住んでいたので、当初は義父母との同居は考えていませんでしたが、義母が亡くなったとき、義父の方から同居をしてほしいという要望がありました。独身で病弱な義姉もいたため、Wさん家族が同居を決断したのですが、そのときに兄からも自分は同居できないので、実家で親と同居して欲しいと頼まれ、妻の希望もあって家を建てたいきさつがあります。


当初は、建物はWさんの名義にする条件で進めていましたが、途中で兄から父親の権利も確保したいので区分所有登記にしてもらいたいと言われ、やむなく同意をしたのでした。先に義姉が亡くなり、次に義父が亡くなり、兄妹二人で遺産分割をすることになったのでした。兄は義父が入院する際に預金は全部管理をすると言って持ち出しています。Wさんにすれば妻の実家に同居し、二人の面倒を見てきたことがあるので、土地と建物の区分所有は自分が相続し、残りは兄に譲るという気持ちでいました。ところが、開口一番兄から出た言葉は、「財産は半分ずつにする」とのこと。

 

■相続実務士ならこうする!

 

妻の父親と姉と同居するために家を建てたWさんの場合は、家の名義はWさん一人にしておくことが無難で、相談されたらそのようなアドバイスをします。しかし、このときから兄の思惑があったようで、兄の強い主張で義父の権利を登記していますので、止めようがなかったのかもしれません。


このような揉め事を防ぐためには、義父が遺言書を作成し、土地、建物は同居して面倒を見てくれた長女に相続させ、同居しなかった長男には預貯金を相続させると分けて書いておけば、Wさん家族はそのまま住み続けられ、現金を相続する兄もあきらめがついたはずだと思えます。兄も実家であった家がWさんを中心に建て替えられたときから、自分が実家の土地を利用する考えは持っていなかったと想像できますが、ただ、同等の権利を確保したいのでしょう。


今回は遺言書がないので、不動産にも兄の権利があると言えます。しかし、住んでいるのはWさん家族ですから、不動産はWさんの妻が相続し、兄には預貯金を払うのが妥当でしょう。相続財産の預貯金が財産の半分に満たない場合は、Wさんの妻が代償金を払うことになります。兄と話し合い、Wさんの負担がない金額まで譲ってくれたらいいのですが、とてもそんな雰囲気ではなさそうです。兄にすれば駅に近い土地で価値があると思っていますが、Wさん夫婦にとっては学生時代から実家を離れて以来ほとんど寄りつきもしなかったことが頭から離れず、許し難いとの思いの様子です。


歩み寄りの接点が見つからないのが現状で、最悪土地を共有しておき、建物を解体するときに売却して共有を解消することも提案しています。

 

 

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