夢相続コラム

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【相続相談事例】調停しても、真実は暴かれず。家庭裁判所で「絶縁状」

2022/06/15


【相続相談事例】調停しても、真実は暴かれず。家庭裁判所で「絶縁状」

 

■自宅を売却した

 

数年前に母親が亡くなったМさん(50代・女性)。父親は故人で、兄(60代)と2人が相続人です。

母親は1人暮しをしていましたが、それも大変になり、80歳を過ぎてからは、自宅を

売却して、高齢者施設に入居しました。亡くなる5年ほど前です。

 

自宅のマンションは2000万円で売れたので、老後の資金の不安はなかったと言います。

それだけでなく、父親が亡くなった時にも預金を相続していますので、母親の預金は

合わせて4000万円以上あると確認していました。

 

 

■預金が引き出されていた

 

高齢者住宅に入るときの手配や保証人は兄が引き受けましたので、預金の管理も

その流れで、兄が行っていました。

 

母親が亡くなったとき、兄はМさんに対し、こう言いました。

 

「母親の預金は1000万円。自分が600万円もらうので、400万円渡してやる。」と。

 

その言葉に不信感を持ったМさんが当社に相談に来られました。

5年前はもっとあったことを確認しているというのです。

 

兄が通帳も見せないというので、Мさん自身で預金の入出金明細を入手して

確認することをアドバイスしました。

 

Мさんが明細を取ってみると、母親が高齢者施設に入った後、3年程で3000万円

程が引き出されていることが判明しました。50万円を何度もですので、

窓口ではなく、カードで引き出したと思われます。

 

母親がひとりで銀行へ出向くことはできず、まとまった額が必要ではないため、

兄が引き出して、もらってしまったとМさんは想像しました。

 

Мさんは、兄に明細も見せて問い詰めましたが、自分は知らないと言うのです。

 

■兄は「知らない」の一点張り

 

兄との話し合いが進展しないため、致し方なくМさんは家庭裁判所に調停を

申し立て、互いに弁護士に依頼して、分割協議をしました。

 

調停はМさんが探した弁護士に依頼され、当社はサポートできませんでしたが、

調停が終わったあと、Мさんから報告を受けました。

 

兄は「引き出したお金は知らない」の一点張りで、結果、Мさんの主張は認められず、

残った1000万円を等分に分けてあきらめるしかなかったというのです。

 

 

■兄から「絶縁状」が届いた

 

調停の遺産分割の条件として、兄から「絶縁状」にも印を押すようにと主張され

それにも従ったということです。

 

Мさんに落ち度はないはずで、高齢の母親が使った形跡もないところが、

真実も明らかにされずに、兄の主張がまかり通る結果となり、Мさんは理不尽で

悔しい思いが残ったと話されました。自分が頼んだ弁護士にも不信感が残ったと。

 

家庭裁判所では円満な分割はできず、「絶縁状」を条件とする手続きになり、

なんとも割り切れない結末と言えます。

 

■相続実務士より

「知らない」で通ってしまう、真実も明らかにできない調停には、Мさんのように

理不尽な思いを持つ人が多いと言えます。調停に頼らず、当事者で解決していく

ことをおすすめ致します。

 

弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。

 

 

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