夢相続コラム

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【節税の教科書】【調査】販売図面を添付して土地評価をした田中さん

2022/09/29


【節税の教科書】【調査】販売図面を添付して土地評価をした田中さん

 

◆相続関係者

●依頼者 田中さん(男性・70才代)・職業 団体職員

●相続人 先妻の子供3人(長男(本人)、長女、次女)後妻の長男

●財産の内容 自宅不動産、長男宅の土地、田舎の土地、預貯金

 

 

◆状況

田中さんの父親は先妻を早くに亡くされました。その後、再婚をして後妻と生活をしていましたが、後妻も10年以上前に亡くなり、晩年は一人暮らしをしておりました。一人暮らしの間は田中さん家族がすぐ近くに住み、日常生活の面倒を見てきたということです。

 

父親の相続人は、先妻との間の子供3人と、後妻との間の子供一人の計四人ですが、異母兄弟姉妹は普段から行き来があり、問題はありません。

 

◆課題

◇公正証書遺言の文言が問題

 

父親は公正証書遺言を作成していました。ほとんどの財産を田中さんに相続させるとしていましたので、それに関する内容に異論はありませんが、田中さんが心配しているのは父親名義で残っている祖父より相続した田舎の土地について子供たち四人で相続し、売却して相続税を払ったあと、残りを分けるように記載されていました。ここで問題となったのは、「子供四人に均等に相続させる」という文言です。父親の意図は理解できますが、売却代金を四分の一となると、相続税を一番多く払うことになる田中さんは、相続税が払えるのか心配です。

 

◆解決へのアドバイス

◇大部分遺言を生かし、一筆の土地だけは分割協議をする

 

遺言書の内容で差し支えがないのであれば遺言書を執行し、納税等に不具合の生じる共有とされる土地についてのみ、全員で遺産分割協議をして、田中さんが一人で相続し、売買代金から納税や諸費用を差し引いた残りを代償金として、他の妹弟に払う方法を提案しました。納税資金が捻出できることになり、田中さんもこれで安心したということでした。

 

◇売却した土地の販売図面を添付して申告した

 

遺産分割協議書を作成する前に売却活動に入ったところ、地元の建売り業者から購入申込が入り、契約がまとまりました。

 

売却した土地は二方道路ですが、一方は道路が狭くセットバックが必要で、地形も不整形です。市街化区域で面積も大きく、開発要項による500㎡を超える土地のため、区画割りした宅地評価を適用すれば、評価額は半分程度に減額ができ、相続税も大きく違ってきます。しかし、現実的に道路として提供する部分がないのであれば、減額評価の適用は難しいと思われるため、土地を購入した建売り業者に計画を確認したところ、5区画に分割し、販売しやすいよう一部道路を入れて、住宅用地として売却するとのことでした。

 

税理士と検討した結果、それであれば土地の減額評価の根拠になるとして、建売り業者から区割り図の入った販売用図面をもらって、それを申告書に添付し、相続税の申告をしました。

 

 

◆ここがポイント

・遺言でも現実の手続きに即していない部分は分割協議をした

・大きな土地は評価減ができる

・区割り図の入った販売用図面を添付して評価減の根拠を示した

 

 

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