夢相続コラム

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【相続実例コラム】農地のまま売却して換金できた北島さん

2020/07/10


【相続実例コラム】農地のまま売却して換金できた北島さん

●相続関係者

被相続人 兄(配偶者、子なし)
相続人2人(長女・成年後見人・相談者、長男・子供が相談者)

●相続事情

北島さんの母親は病に倒れ、入院中の身で、父親と娘である北島さんが成年後見人に選任されていました。そんなとき、母親の兄である伯父が亡くなったのでした。
伯父は配偶者も子供もなく、1人暮らしをしておられました。財産は、自宅と隣接する畑、アパートなどで、相続税もかかる見込みです。伯父には農家資格があり、元気な頃は1人で畑を耕作していました。北島家と伯父の家は同じ町内ですので、たまに様子を見に行くこともありましたが、最近は母親が入院していることもあり、伯父の普段の生活ぶりはわからないのが現状でした。そんな中、作業中に倒れた伯父は、病院に運ばれましたが、そのまま亡くなってしまったのでした。急なことで遺言書もありません。

●相談にこられたきっかけ

祖父母はすでに他界しているため、伯父の相続人は、妹である北島さんの母親と弟(北島さんの母親の次兄で北島さんの伯父、以下「相続人の伯父」)の2人です。北島さんは、母親の成年後見人として母親の代わりに遺産分分割協議をすることになりました。
一方、相続人の伯父の長男は税理士の勉強をしているために、父親の代わりに相続の話し合いをするとのこと。つまり、30代のいとこ同士が、それぞれが親の代わりに伯父の遺産分割協議の話し合いをすることになったのです。
北島さんのいとこが亡くなった伯父の財産評価をしたところ、相続税の申告が必要だとのこと。またできるだけ節税もしたいので、図書館にあった私の本を読んで相談に来られたことがきっかけでした。

●運命の分岐点・ここがポイント

☆変形地の評価で減額
伯父の土地は自宅のとなりが畑となっていますが、道路、水路に分断された変形地です。利用区分も自宅、畑、共同住宅と3種類に分かれています。まずは、全体の測量をすることで地形と面積を出し、評価をすることにしました。その結果、変形地の評価をすることができ、減額することができました。

☆農地評価をして減額するか
現地は、自宅と生産緑地(市街化区域で農地として指定された土地)の畑が一体となっているために利用区分が曖昧であること、農地であるのに耕作していない部分があることなどをどう評価するのかがポイントでした。検討した結果、宅地よりは農地評価の方が安くできます。そこで、物置や車庫にした部分を生産緑地に指定されたもとのとおりの農地に復元することで農地評価として減額をしました。

☆均等に分けるために共有名義とする
相続人の伯父は土地を全部相続して、土地を残したい意向でした。しかし財産のほとんどが土地であり、北島さんの母親が相続するものが少なく、バランスが取れません。そこで相続人の伯父を説得し、共同住宅を除く土地を2分の1ずつ共有し、その後、売却するして換金することで遺産分割協議がまとまりました。そうした方が、売却価格がはっきりして納得できるということになったのです。共同住宅は相続人の伯父が相続し、差額は代償金として調整するようにしました。

☆生産緑地のまま土地売却
幸いなことに、隣接する梨農家が畑を購入したいと申し出てくれました。以前に道路の買収で土地が減ったことがあり、農地を増やしたかったようで、早く話がまとまりました。
母親の成年後見人である北島さんは、母親の代わりに遺産分割協議や土地売買契約書に署名、代理する立場であり、財産も管理することになります。

●相続実務士の視点

北島さんといとこは30代ながら、それぞれが親の代わりに遺産分割協議の交渉をされたわけです。これまで、相続人は年配の方という漠然としたイメージがありましたが、今の30代は知識もあり、将来のことも見据えてそれぞれの立場できちんと主張をし、交渉をされるのだとあらためて感心した次第です。得てして感情的になりやすい分割協議ですが、比較的冷静で余分な感情はなく、当然過去の話も出てこない状況ですので、ドライに進んだと言えます。
こちらの提案に関しても理詰めで理解し、進められたことは幸いだと感じました。今後も、親の代わりに子供が交渉のテーブルに着くことは増え、遺産分割協議も、家族や身内の情に訴えるというよりも、財産をどれだけもらえるかを焦点に、割り切った感覚で進められるようになるだろうと感じられるケースでした。
それでも比較的スムーズに進み、無事に相続税申告、土地売却、納税と全てを順調に終えることができ、北島さんもいとこも感謝しておられました。

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