夢相続コラム

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【相続事例】遺言があっても分割協議をした佐野さん

2020/12/21


【相続事例】遺言があっても分割協議をした佐野さん

財産とご家族の状況

■相続関係者
●依頼者 佐野さん(男性 70才代)
●相続人 相続人5人
(先妻の長男・佐野さん、長女、次女、次男、後妻の長男)
●財産の内容 自宅不動産、佐野さんの自宅土地、地方の土地、預貯金

■相続事情
佐野さんの父親は先妻が亡くなったことから、再婚をしましたが、後妻も10年以上前に亡くなり、晩年は1人暮らしをしておられましたが、90歳代で天寿をまっとうされました。その間、先妻との間の長男である佐野さん家族がすぐ近くに住み、日頃の面倒を見てきたということです。異母兄弟姉妹は普段から行き来があり、問題はありません。 父親は生前、子供達にそれぞれ現金や土地を贈与しており、それで財産分与とすることを常日頃から話をしていましたので、全員も了解していました。亡くなったときの財産としては、父親が住んでいた土地、建物、共有にしてある佐野さんが住む土地、田舎の土地、預金等がありました。

■課題
父親は、公正証書遺言を作成しており、ほとんどの財産を佐野さんに相続させるとしていました。佐野さん家族が住む不動産は父親と佐野さんの共有になっているからです。それに関する内容に異論はありませんが、佐野さんが心配しているのは、別の土地のことです。祖父から相続した田舎の土地が父親名義で残っており、遺言書には子供達5人で均等に相続し、売却して相続税を払ったあと残りを分けるようにと記載されていました。遺言書のとおりに相続すると売却代金も5分の1となり、相続税を一番多く払う佐野さんの相続税が払えないのではないかという不安がでてきたのです。この問題をなんとかしたいと相談に来られたのでした。

解決へのアドバイス・・・遺言は活かし、1筆の土地だけ分割協議をする

こちらが提案したのは、共有とする土地以外は、遺言書の内容で差し支えがな いので、遺言書を執行することです。しかし、均等にとされる土地は、「子供 5人に均等に相続させる」とする内容では、納税等に不都合が生じます。この 不安を解消するには、この土地についてのみ、全員で遺産分割協議をして、全 員が相続分に合わせて無理なく相続税を払える割合で相続するか、あるいは、 田中さんが1人で相続し、売買代金から納税や諸費用を差し引いた残りを代償 金として他の妹弟に払う内容の遺産分割協議をする方法のいずれかがいいので はないかという提案をしました。
契約の手間を考えると佐野さん一人が相続し、売却代金の中から全員の相続税を支払い、残りを均等に分けることにしました。兄弟姉妹間の合意も得られ、難なく相続登記は終えられました。 土地は建て売り用地として地元の不動産会社から購入の希望があり、相続評価 以上の価格で売却ができたのです。ここまで申告期限前に終えることができ、 申告、納税もなんら不安がなく、無事に済ませることができました。

相続実務士より

佐野さんのお父さんの人柄は、異母兄妹が円満につきあえることや公正証書遺言を作成しておられたことから用意周到な方だと思えます。しかし、もう一歩踏み込んで実務的なことを言えば、遺言書を作成するときの専門家が納税のことに気づけなかったことが問題かと思えました。
佐野さんは、父親の遺言を活かし、共有する土地だけ遺産分割協議をすればいいことを説明すると本当に喜んでおられ、安心したと笑顔で帰られたのでした。その後は、こちらのコーディネートのとおりに順調に進み、本当に喜んで頂きました。

相続実務士からのアドバイス

遺言があっても、相続人全員の合意があり遺産分割協議ができれば、遺言のとおりに分割しなくても構いません。遺言を活かしながら、一部の財産の分割内容を変えたいときはその財産だけの分割協議書を作成して手続きができます。
また、納税のために売却する土地は、相続人の代表が相続し、他の相続人に代償金を払う方法が売却や登記の手続きはしやすいと言えます。

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