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不動産 共有名義の放置は危険

2019/03/06


不動産の相続 「共有名義」の放置はこんなトラブルを生む

昨年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)は、都内に少なくとも8軒ものマンションや戸建てを所有する、芸能界屈指の「不動産王」だった。

女性セブンが把握する限りでも、土地・建物合わせて、総額10億円はくだらない。

それほどの資産家だと、子供たちに多額の相続税が降りかかったり、遺産分割を巡って“争続”に陥ることも多い。


「樹木さんの家族(内田家)の相続がスムーズに行われたのは、樹木さんが生前から計画的に相続先を決め、遺言書を残し、一部の資産は生前に家族に渡していたからでしょう」と言うのは、内田家の知人だ。


実際、死後半年も経たないうちに、娘の内田也哉子、娘婿の本木雅弘、孫の内田伽羅などに、速やかに不動産の名義を変更。

なかでも、伽羅名義になったマンションは、樹木さんが亡くなる前に手続きされていた。


「樹木さんは生前、“私が死んでも夫(内田裕也)には遺産を残さないわよ。あの人、お金があったら一晩で使っちゃうから”と、いかにも樹木さんらしい表現で、周囲に話していたそうです。その通りに、裕也さん名義の不動産は1つもないんです。もし裕也さんが相続したら、裕也さんの死後、子供たちに多額の相続税がかかることを心配したのでしょう」(前出・内田家の知人)


「相続税なんて、よほどの富裕層だけ。ウチには関係ない」と思ったあなたは間違いだ。

税理士の山本和義さんが話す。

「2015年の制度改正で相続税の基礎控除額が引き下げられて、課税対象となる人が倍増し、都市部に持ち家がある会社員なども、対象となる可能性が高まりました」


実際、2017年度の課税件数は2014年度と比べて2倍に増えた。税理士の岡野雄志さんが話す。

「相続税を回避するのに有効なのは、『生前贈与』しておくこと。なぜなら、相続財産をあらかじめ減らしておくことが何よりの相続税対策になるからです」

相続税対策だけではない。家族が笑顔で遺産を相続するためには、親族間のトラブルを未然に防ぐことが必要だ。

生前なら本人の希望を家族に伝えられるし、家族も受け入れやすい。

しかし、故人になってからでは親族がそれぞれの権利を主張して、対立するケースも多い。


また、生前に準備しておかないと、亡くなった瞬間に“消えてしまうお金”も存在する。

その生前贈与と名義変更、死んでからではもう遅い──。

 

不動産「共有名義」の放置は絶対にやってはいけない

現金ならば、何人の相続人がいても分けるのは簡単だ。株式だってそう。

でも、不動産は分割できないから厄介だ。東京都在住の58才主婦・高松さんが話す。

「埼玉でひとり暮らしをしていた父の死後、空き家になった自宅の相続手続きのため法務局に行くと、父と叔父の共有名義になっていることがわかりました。

持ち分は父が3分の2、叔父が3分の1。

叔父は5年前に他界しており、本来は子供である従妹と従兄が手続きをするはずですが、放置していたようです。

家を3つに分けることはできないし、空き家をそのままにもできないので、自宅売却のため2人に話し合いを持ちかけましたが、何十年も連絡を取っていなかった上に、そもそも父と叔父は相性が悪かった。

2人は『二束三文にしかならないなら売らない』の一点張り。

手続きも面倒なようで名義変更にも応じませんでした」

いまから、動き出すことで、円満でムリや無駄のない相続を用意することはできるのです。


結局、高松さんの話し合いは平行線のまま頓挫した。

自宅は売却も解体もできず、固定資産税を支払って1年経つという。

相続コンサルタントの弊社代表・曽根恵子は言う。

「不動産の相続で最ももめやすいのが『共有名義』です。特に、高松さんのように兄弟間で共有名義にしていた場合はトラブルのもと。 分け方が決まらないからと『一時しのぎ』で共有名義にすると、その後、何をするにも兄弟の合意が必要になります。

兄弟2人の間の意見の対立ならまだしも、不幸にも兄弟ともに亡くなってしまうと、その配偶者と子供たちが相続人になり、話し合いの当事者が一気に増え、収拾がつかなくなってしまいます」

共有名義にしがちなのは「きょうだい」だけではない。


「もう亡くなっている祖父母や曾祖父母が共有名義のままになっているケースは多い。

いざ相続手続きしようと、さかのぼればさかのぼるほど芋づる式に相続人が増え続け、相続人さえ確定できないケースもあります。無用な争いを避けるためにも、生前にどちらか一方の持ち分をもう一方が買い取るなどした上で、妻や子供に『生前贈与』で託しておくのが賢明です」(前出・山本さん)


不動産はどう生前贈与するとよいか。岡野さんが話す。

「不動産は資産額が大きいため、贈与を受けるとそれだけ多額の贈与税がかかります。

贈与税率は、相続税率よりも高いので、賢く特例や制度を利用した方がいいでしょう。

そこで、一生涯で2500万円までなら贈与税がかからない『相続時精算課税制度』を活用するのが有効です。

贈与した人の死後に相続税が課される制度ですが、相続財産が少ない場合は、相続税の基礎控除額(3000万円+相続人×600万円)の枠に収まることが多い。

その場合は活用するメリットが大きいのです」


不動産の名義変更をしなかったことで“争続”に発展しやすいのが、夫の前妻との間に子供がいるケースだ。

「その場合、前妻の子供も相続人になります。

遺産分割協議がまとまらないと、後妻は自宅に住み続けられなくなることもある。


そういう時は、『贈与税の配偶者控除』が有効です。通称『おしどり贈与』と呼ばれる特例で、2000万円までなら無税で自宅を生前贈与できます」(弊社代表・曽根)

それらの特例が使えない場合は、家族がもめないよう遺言で相続人を明記し確定しておくことも有効だ。


 

※この記事は「マネーポストWEB」「女性セブン3月14日号」にて紹介されています。


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