夢相続コラム

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【相続実例コラム】土地活用:一番に売れと言われた土地を残せた沢田さん

2020/05/29


【相続実例コラム】土地活用:一番に売れと言われた土地を残せた沢田さん

●沢田家のプロフィール・・・相続税は12億5千万円

・相続人関係図
被相続人 父(酪農業、不動産賃貸業)
相続人  6人
     長男(酪農業、父と実家に同居)
     長女(結婚して他家へ嫁いでいる)
     次女(結婚して他家へ嫁いでいる)
     次男(自営業、父の土地に家を建てて住んでいる)
     養子(長男の長女、未成年)
     養子(長男の次女、未成年)

酪農業の沢田家は代々の大地主さん。財産のほとんどが土地です。父親が86歳と高齢になり、体調も思わしくなくなったことから顧問税理士に相続税の予想額を出してもらったところ、12億5千万円と言われたのです。「空き地は全部売らないと相続税は払えないので、何もしないで残しておくこと。それだけでは、足りないので、自宅の一部を切り売りする覚悟をしておくこと」というのが、顧問税理士のアドバイスでした。
とてもそんな現金はなく、土地を売っても足りないのではと不安になり、知人の紹介で相談に来られましたが、節税の対策を立てて検討をしているとき、父親は容体が急変し、亡くなってしまったのです。医者の宣告よりも時期が早く、対策は間に合わなかったというのが現状でした。しかし、それからが本格的な節税対策への取り組みが始まったのです。

●相続コーディネートのポイント

・遺産分割・・・生前から公言してあった
遺産分割に関しては、生前、父親が各相続人に話してありました。家を継いだ長男に大部分を与え、次男には使用貸借をしている自宅用の敷地と二男の会社用に使っている土地としました。長女、次女には現金をというものでした。

・遺産分割・・・代償金の支払い
長女、次女に払う現金は沢田さんからの代償金としましたが、土地の売却で捻出します。

・遺産分割・・・相続税分の財産も分ける
相続税は沢田さんが払う約束になっていましたが、そのままでは贈与になるので、納税用の土地を決め、税額の割合で共有として、売却しました。税額と売買価格を見極めて相続税が払えて、譲渡税がかからない割合を計算して決めました。

・評価・・・広大な自宅の土地評価が課題
沢田さんの財産の中で、一番大きいのは1900坪の自宅です。節税ための最大のポイントは、その土地をどう評価するかにかかっていました。そこで、路線価よりは鑑定評価の方が評価は下げられるという判断で、不動産鑑定士3名に鑑定評価を依頼しました。
できあがった鑑定評価を比較し、無理のない評価を選択しましたが、結果的には当初の評価よりは4億円程度は下げることができました。

・納税・・・土地売却で捻出
売却予定地は4カ所、730坪の宅地です。その土地は第1種低層専用住宅地域で、区画整理された閑静な住宅地の中にあります。最寄りの駅より徒歩13分、小、中学校も近く、人気のある立地です。23区画に分筆して、少しでも高い価格で売るために、エンドユーザーに売却することにしましたが、そのままでは宅建業法に抵触します。そこで不動産会社の協力を得て、末端の価格で売却終えることができました。
これで、合わせて5億6千6百万円の相続税を納税でき、諸費用も支払うことができました。長女、次女への代償金もこの中から支払うことができました。

・納税・・・相続税の残りは銀行借入に切り替え
相続税は、残り2億4千万円となりました。さらに土地を売却するも方法もありますが、立地の良い土地は売らないで残すことを考えました。その土地を有効利用し、賃貸事業の経費として支払っていく方針で、長期の銀行借入に切り替え、納税は完了しました。

☆資産価値を高める対策1・・・相続税返済のため土地を残して有効利用する
400坪の土地は、16mの幹線道路に面した店舗立地にもなる立地です。色々と検討し、店舗と賃貸マンションの案でした。1階は88坪のフロアで、分割できることとし、2階から5階は1LDKと2LDKの2タイプの住居を32世帯としました。店舗は、5区画に分割し、理容院、美容院、手作りパン屋等で程なく決まり、満室稼働しています。

☆資産価値を高める対策2・・・家業廃業後の収入確保と節税対策のマンション経営
一部切り売りしないといけないといわれた1900坪の自宅敷地には、別の事業計画を立てました。まず、古くなった自宅は、別の所有地に新築し、引っ越しをしました。さらに沢田さんは家業であった酪農は、後継者がいないことと、休みのない牛の世話の重労働を考え、思い切って廃業することを決断されたので、その敷地全体を有効利用するとし、千葉県特定優良賃貸住宅の認可を取ることにしました。3LDKの住宅で4階建て2棟の賃貸マンション計画で、事業費は、約12億円です。この事業は、住宅金融公庫という公的資金を利用し、35年間固定金利で、収支が安定しています。

☆生前対策・・・遺言書を作成
沢田さんは再婚で、先妻の子供二人がいます。沢田さんの相続人は後妻と後妻の子供二人と先妻の子供ですから、複雑で、遺産分割協議がうまくいくとは思えません。そこで、争いのもとを残さないように、公正証書遺言書を作成されました。

●相続の価値はココ!

○遺産分割
生前、父親が各相続人に話してあり、暗黙の了解があった
長男が土地を相続した分、長女、次女には代償金を払った
納税用の土地は税額の割合で共有し、売却した
相続税が払えて譲渡税がかからない割合を計算して決めた

○評価
一番大きいのは1900坪の自宅の評価は鑑定評価で節税した

○納税
23区画に分筆した土地は宅建業法に抵触しない方法をとった 相続税の残りは銀行借入に切り替え

○資産継承
相続税返済のため土地を残して有効利用する
家業廃業後の収入確保と相続節税対策のため、自宅土地を有効利用した
千葉県特定優良賃貸住宅制度の家賃補助や建築補助を利用した

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