夢相続コラム

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【相続実例コラム】養子縁組し相続対策したつもりが、まだ4,000万以上課税!資産の組み替えで節税に成功

2020/08/25


【相続実例コラム】養子縁組し相続対策したつもりが、まだ4,000万以上課税!資産の組み替えで節税に成功

●兄の死をきっかけに妹と疎遠に

岡庭さんには妹と兄がいました。以前は3人とも仲が良かったのですが、あることをきっかけに疎遠になってしまいました。それは、兄の死です。12年前に兄は交通事故でこの世を去ってしまいました。生前の兄は、離婚を機にお酒に溺れてしまい、アルコール中毒になっていました。岡庭さんたちに対しても、あまりよい振る舞いをしなかったそうです。妹はそんな兄に嫌気がさして、実家の人間との付き合いを避けていたそうです。そんな矢先、兄が亡くなり、葬儀となったのですが、妹は葬儀の手伝いを何もしなかったそうです。それを良く思わなかった岡庭さんの気持ちが伝わったのか、疎遠になっていったそうです。

●節税のために長女を養子にしても多額の税金が発生

年老いた母親をサポートするために、気丈に葬儀を取り仕切った岡庭さん。相続の手続きも経験し、今度は、母親の相続を自分ひとりで取り仕切らなければならないと思い、遺言や、贈与、相続などの一連の流れを学び始めました。セミナーなどで、子どもや夫を養子にすれば相続税の基礎控除が1人につき600万円増えると学び、疎遠になっている妹に了解を得て、自分の長女(以降、孫)を養子にすることにしました。孫は「おばあちゃん」を大変慕っていたので、母親も孫も養子縁組することを快諾しました。
母親の財産は自宅の土地建物、離れたところになる貸地、預貯金、生命保険。合わせて2億5,000万円ほど。課税遺産総額も2億円を上回ります。相続人が2人から3人に増え、基礎控除額が4,800万になって、ひと安心。財産をどう分けたらよいかの相談のため、当社を訪れました。せっかく養子縁組しましたが、相続税は約4,000万かかってしまうことが判明。この金額は岡庭さんの予想よりもはるかに高額で、岡庭さんはがっかりした様子でした。

●相続実務士の視点

相続実務士の特徴は、あくまでも、相談者目線だということ。形式的な相続対策を押し付けることはせず、相談者の心情に深く配慮した提案をします。選択肢は1つではありません。複数提案することもあります。岡庭さんの場合は、次のような提案を行いました。

1.借入をおこして評価減を
岡庭さんのケースでは、正味の遺産総額は約2億8,000万円で、課税遺産総額は約2億4,000万円。4,000万円しか節税ができていません。もし、貸地に建物が建っていたら、貸家建付地による評価減ができたでしょう。また、自宅も母親が居住していたら、小規模宅地の特例が適用になり、課税遺産総額を大幅に減らすことができましたが、どちらも不可能でした。
そのような状況の中で、課税遺産総額を減らすために、借り入れをすることは節税に有効な方法です。岡庭さんの場合は、まとまった現金があるので、借入金に手持ち金を加えて、収益用マンションを自宅だった場所に建設することをおすすめしました。現在、貸しているほうの土地の立地が良ければ、そこに建設するという選択肢もありますが、マンション用地には向いていない場所。貸地は売却し、交通の便もよく、賃貸ニーズが見込める、自宅のある場所にマンション建設を提案しました。この方法なら、手元資金に加えて、借入れを起こすことで、節税になります。

2.共有ではなく、分筆による土地の所有を
節税ができる、この提案に、岡庭さんは納得されましたが、よく話をきくと、実家に強い愛着があることが分かりました。自宅の売却は考えられないようで、自分たちのために所有したいそうです。さらに、疎遠になっている妹も同じ気持ちだと思う。そのために共有名義にしたいというのです。

疎遠になった妹のことまで考えて、共有にしたい、という岡庭さんの優しい気持ちは、相続実務士として、尊重すべき重要なポイントだと考えました。しかし、共有名義であると、将来的に売却するときに両者の同意が必要になるなど、姉妹の関係が疎遠になっていることを考えるとデメリットの方が多いため、実務士としてはおすすめできません。
実家の土地は500平方メートルほどと、このエリアでは比較的広めだったこともあり、分筆を提案しました。その後、貸地を売却し、その売却益で区分マンションを購入。結果的に、自宅にマンションを建てるよりも、立地の良いマンションのほうが、空室リスクを抑えられ、健全なキャッシュフローを維持できています。相続税の評価減もでき、5,000万円ほどの節税で生前対策ができています。岡庭さんは、この提案に大変満足され、笑顔で「ここに自宅を建てて移り住みたい」と言ってくださいました。

●家族構成

父親(7年前に他界)
母親(88歳・介護施設に入所。認知症の症状がみられるが、意思能力はまだある)
長男・(すでに他界)
長女・相談者(59歳。夫なし。子ども2人。1人は母親の養子にしてある)
次女(55歳)

●財産構成

【不動産】
① 実家
土地: 面積 660㎡   路線価評価(令和2) 200,000円/㎡
相続評価額 13,200万円
建物:評価額 1,500万円
② 資材置き場として賃貸している土地
面積 600㎡ 路線価評価 110,000円/㎡
相続評価額(自用地評価)6,600万円

【現金・預貯金】5,000万円
【有価証券・国債・投資信託】5,000万円
【生命保険】2,500万円
【負債】なし

弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。

 

 

コラム執筆

吉井 まゆみ
相続実務士、宅地建物取引士、AFP、2級ファイナンシャルプランニング・技能士
・誕生日:5月2日
・出身地:群馬県藤岡市
・趣味:ゴルフ、茶道
お客様の人生に寄り添った相談業務ができるよう、日々努力しております。
賃貸、売買、用地仕入れと、ひと通りの不動産業務を経験してきました。女性ならではの感覚で、行き届いたコンサルティングを心掛けています。
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