夢相続コラム

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【それぞれの相続物語】(22)家族で話し合いをして遺言を作成した沢田さん

2022/11/02


【それぞれの相続物語】(22)家族で話し合いをして遺言を作成した沢田さん

 

◆相続関係者

●依頼者 沢田さん(男性40才代)・職業 自営業

●家族関係 被相続人 父(予定) 配偶者、長男、長女

●財産の内容 自宅不動産、貸店舗、貸事務所

 

 

◆相続事情

相談者の沢田さんは父親の土地を借りてファーストフードの店舗を経営しています。建物は沢田さんが会社名義で建てました。郊外ではありますが、大通りに面し、駐車スペースも広いため経営自体は順調にいっています。

 

沢田さんの父親はもともと農家ですが、祖父から相続した代々の土地を活かして不動産賃貸業もしてきました。最寄り駅から徒歩2分の立地のため安定した収入が入っています。

財産の構成をみると、駅前の立地の良い貸店舗と郊外の広いコンビニの土地を所有しているため、全体の9割近くが不動産の評価で占められています。

 

父親は、今年70歳を迎えたためそろそろ第一線を退く時期を迎え、相続のことも考えておかなければと親子2人で相談に来られました。

 

◆課題

以前から、父親は自分が亡くなった後は、長男である沢田さんに自分の財産の全てを相続させて沢田家を守っていってもらいたいという気持ちが強くありました。農家の長男として生まれ家業を継いできたため、相続は長男が引き継ぐものだという考えがあります。沢田さんも長男として引き継ぐ意向ですが、結婚して他県に住んでいる妹に何も相続させるものが無いのではうまくいかないのでは、という気持ちです。兄妹間の仲も良く、相続で揉めたくはないという思いがあります。

 

父親の相続税額の試算をしてみると1,000万円近くかかる計算ですが、節税対策もさることながら、相続時に相続人間で揉めないための準備が必要と言えます。

 

◆解決へのアドバイス

財産を持つ父親が、独断で遺言書を作成することはできますが、長男に片寄った内容であれば、母親と妹から不満ができことは容易に想像できます。家族全員で話し合って納得した公正証書遺言を作成することが大切だとアドバイスしました。生前に家族に相談して納得してもらっておけば、後からもめることはありません。

 

そこで、家族4人全員で来て頂き、話し合ってもらいました。すると母親も長女も長男に財産が片寄ることは賛成しかねること、自分たちも土地を相続したいことなどがわかりました。話し合いがなかった場合は、相続争いに発展していたでしょう。

 

話し合う中で、沢田さんは現在経営している店舗の土地を、母親は生活資金の確保とのため貸店舗を、妹は自宅の一部をそれぞれ取得するということで家族の意見が一致しました。

父親はこの経過を納得し、迷いなく公正証書遺言を作成することができました。

 

 

◆まとめ

沢田さんの父親は、自分が長男としてほとんどの不動産を相続してきたことから、ほとんどの財産を長男に相続させるという内容の遺言を作るつもりで、沢田さんと2人で来られました。しかし、財産の大部分が長男に片寄るということは、配偶者の取得割合が少ないため、特例をほとんど利用できないことになり、納税が増えてしまいます。

 

また、母親と妹から遺留分減殺請求が起こされたら感情的にもうまくいきません。わだかまりが残らないようにするには、遺言を作る前から内容をオープンにすることです。案の定、最初は母親や妹から不満や不安がありましたので、事前に話し合いをして頂いてよかったと安堵しました。遺言の作成の時にも4人で来られ、全員が納得上で遺言ができあがり、喜んでおられました。

 

◆相続実務士からのアドバイス

遺言は、「黙ってこっそり作って隠しておく」というイメージがありますが、それではかえってトラブルになります。家族全員が話し合って合意の上で、財産を持つ人が遺言書を作ることで争いを未然に防ぐことができます。このときにもめ事になれば、事前に覚悟ができるわけでなおさら遺言が必要だという判断材料になります。

 

 

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