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【相続実例コラム】遺産分割:弟や税理士を信用できなかった西田さん

2020/06/15


【相続実例コラム】遺産分割:弟や税理士を信用できなかった西田さん

●相続関係者

被相続人 父(配偶者、子なし)
相続人3人(配偶者・後妻、先妻の子、長女、長男)

●相続事情

西田さんの父親は代々地主さんで、貸家や貸店舗を所有する不動産賃貸業をしておられました。西田さんの生みの母親は若くして亡くなったので、その後、現在の母が後妻として来られましたが、2人の子供が幼い頃だったので、実の母親に育てられたので、感謝しているとのこと。
父親は一家を仕切ってきましたが、晩年は高齢になったことから、賃貸業を弟に任せるようになりました。弟は、それまで会社務めをしてきたのですが、父親の後を継ぐ名目で会社を辞め、父の跡継ぎとして不動産賃貸業の会社に入社、現在は社長となっています。
そうして親が亡くなったのですが、遺言書がないので、遺産分割協議をするときになり、不協和音が噴出してきました。西田さんはすでに嫁いだ立場で、相続人は実家に住む母親と弟の3人です。母親は一緒に住む弟夫婦に気兼ねがあるのか、相続の手続きを仕切ったのは弟でした。

●相談者にこられたきっかけ

父の代から賃貸業の申告のために頼んでいる税理士さんがあり、実家にいる弟が全面的に信頼していることから、相続税の申告もその先生に依頼するとのこと。西田さんにすれば、嫁いでから実家の様子はわからないので、弟が仕切るのは仕方がないとしても、どう話しを進めていいかわかりません。しかし、弟が依頼した税理士はどうも相続には慣れていないようで信頼できないことのこと。
そこで、私の本を読んで、こちらに相談に来られたのでした。自分が納得する相続をしたい、できるだけ節税して、父の財産を残したいという気持ちだとのことです。弟にもこちらを推薦したので、申告もこちらに依頼をしたいという意向でしたが、それは弟が譲りません。しかし、申告する税理士は遺産分割協議には入ろうとせず、決まれば計算するという態度です。そこで西田さんの依頼で遺産分割協議のコーディネートをすることになりました。

●運命の分岐点・ここがポイント

☆配偶者の特例を利用するような条件を提示
弟は自分が大部分を相続したいようで、母親へは3割程度の財産を相続させるという案を出してきました。西田さんは苦労をかけた継母には多く相続してもらいたいので、納得できないとのことです。それに無税の特例の枠も残っており、納税の負担を減らすために、配偶者の特例を生かせるように弟の相続を母親へ変更することを条件に出しました。これで、納税額を約1億円減らすことができました。

☆法定割合程度を主張
西田さんへは全財産の5%程度の現金ではどうかと提案してきました。納税分も用意するので手取りで数千万円という提示です。しかし、西田さんの希望は、父親が苦労して維持してきた土地は残したいのとのこと。会社を辞めて家の財産でのうのうとしている弟に対しては信頼できないところがあるというのです。そこで、こちらは法定割合相当を現金と土地で要望することにしました。

☆利用価値のある土地を選択
西田さんは実家を離れて久しく、父親の土地の所在の全部はわからないとのこと。先方の税理士に送ってもらうよう依頼しても送られてこないため、名寄せ帳をもとにこちらで調査し、貸し駐車場になっている角地の土地を選択、交渉したところ、かなり難色を示されましたが、最終的には承諾を得られました。現金を合わせて法定割合とすることも承諾をもらえたので、その現金で納税もできました。

☆申告期限に間に合わせる
遺産分割協議が申告期限に間に合わないと未分割の法定割合となることから、期日が迫っており、税理士からも法定相続分で申告を勧められたようです。しかし、弟も長引いても得策ではないと判断したようで、申告期限の前日に調印、当日に申告、納税ができたのでした。

●相続実務士の視点

実の姉弟ながら双方が相手に対する信頼がなく、遺産分割協議は難航しました。しかし、時間がないことで、これ以上、争わない選択ができたことは幸いと思えます。 ともに両親や家を思う気持ちは変わらないのに、本人達の溝は深いものがありました。
西田さんはメールで、「私の実印は父が作ってくれたものです。その大事なものを、納得いかない書類に押すわけにはいきません。ましてや、相手に対し不信感があるなら尚更です。 」と書いておられます。
また、「弟には反省してほしい。誰のおかげで今の自分があるか、しっかり自覚してもらいたいのです。」とも。家を継ぐことは、財産を自分のものにすることではなく、もっと重いものだと言いたいのだと受け止めました。実の姉弟ですから、この先、わだかまりがなくなることを祈るのみです。

弊社では様々なプランをご用意しております。
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