夢相続コラム

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【相続の教科書】遺言書があってももめる8 姉の策略で会社の土地も取り上げられる

2022/08/29


【相続の教科書】遺言書があってももめる8 姉の策略で会社の土地も取り上げられる

 

◆Nさんのプロフィール

亡夫の後を継ぎ、会社代表者

<相続人関係図>

被相続人 父 

相続人 母親、長女、長女の息子(養子)、次女(本人) 4人

 

◆会社の危機を父親に助けられた

Nさんは病死した夫の後を継ぎ、夫が創業した旅行会社の社長として日々飛び回っておられます。それまで専業主婦だったという面影はなく、いまや会社の代表者としての顔ですが、慣れるまでは苦難の道のりだったということです。

夫は30代で脱サラ、独立をし、自社ビルを建てるところまで順調に発展させてきました。しかし、無理がたたってか、40代で体調を崩して入院を余儀なくされたのです。当然、経営トップが抜けると会社の経営は厳しくなり、銀行から借入した建てた自社ビルの返済にも困るようになりました。見かねたNさんの父親が会社の土地と建物を買い取る形で銀行に借入を返すことができたので、返済をしなくてもいい形となりました。

土地、建物が父親所有となり、大変なときだからと家賃を払うことなく使わせてもらえるようになり、お陰でなんとか営業を続けてこられたのでした。

その後、夫が亡くなり、Nさんが社長を継承して家族的な旅の企画を主軸として営業にも飛び回るようになり、ようやく業績は安定してきました。

 

◆姉の思惑で会社の存続も脅かされる

やがて父親が亡くなったとき、姉は父親が作成した公正証書遺言があると言って、Nさんの会社の不動産を自分の名義にし、家賃を請求してきたのです。遺言の内容は、姉と養子である姉の子に全てを相続させる内容で、母親は相続人から廃除するとも書かれていました。驚いたNさんはまだ登記をされる前に弁護士を通じて排除の取り消しと遺留分侵害額請求を起こしましたが、3年経ってもまだ決着していません。

依頼した弁護士の先生は慌てなくても大丈夫と言っている間に登記もされていまい、このまま任せておいていいのか不安になり、相談に来られました。父親は普段より会社の土地はNさんに相続させると公言していた事実もあり、打つ手はいくらかあったはずと思えますが、今となっては簡単ではありません。依頼を受けている弁護士の先生が、後手後手にならない知恵を出して依頼主を守ることが必要だと思いますが、どうもそんな認識ではない様子。姉の一存で、全くの他人に売却されてしまえば会社の存続も危うくなりますので、対抗できる手段を模索中ですが、Nさんが姉から買い取ることが第一と思われ、姉のねらいどおりにするしかないかもしれません。

 

◆問題になったポイント

・経営する会社の不動産を姉が相続した

・使用貸借だった不動産の家賃を請求してきた

・姉が賃貸物件として売却する可能性もある

 

◆実例からの教訓

・不動産の名義を会社から父親に変えるのではなく、他の方法にするべき

・会社の不動産は自社で保全が必要

 

 

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