夢相続コラム

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【相続の教科書】遺言書があってももめる7 後妻が先に亡くなって遺言が活かせない

2022/08/25


【相続の教科書】遺言書があってももめる7 後妻が先に亡くなって遺言が活かせない

 

◆Sさんのプロフィール

会社員

<相続人関係図>

被相続人 父 

相続人 母(後妻)、後妻の子、長男(本人)・長女・次女、

先妻の子2人 計 6人

 

◆母親が先に亡くなってしまった

Sさんの父親は母と再婚後、Sさんと2人の妹の3人の子供に恵まれました。先妻の子供は先妻に引き取られたので、父親も会うこともなく年月が過ぎました。父親は相続で揉めることを避けたいため、公正証書遺言を作成していました。

父親の主な財産は賃貸収入のあるマンションで、配偶者と後妻の子3人(Sさんと2人の妹)に相続させるという内容です。先妻の子供から遺留分を請求されたとしても2人分が全体の10分の1となり、なんとかなると思える程度です。

遺言執行者は証人になった弁護士で、父親はこれで安心だと思っていたようですが、予想もしなかったことに、母親が先に亡くなってしまったのです。

そのとき、父親は遺言執行者の弁護士に相談していますが、弁護士から特に変更しなくても大丈夫だと言われ、遺言書を作り直すことはせずにそのままにしていました。

 

◆母親の相続分は消滅し先妻の子にも権利が

3年後、父親が亡くなってから、Sさんが公正証書遺言書で相続登記をしようとしたところ、司法書士から既に亡くなっている母親の相続分は特定できないため、相続人全員に権利があると指摘を受けました。母親が先に亡くなったときを想定していなかったため、たとえば母親の相続人である後妻の子供に相続させる等の記載はありません。すでに父親の意思とはかけ離れた現実となってしまいました。

案の定、先妻の子供は半分の財産につき、法定割合以上の現金を要求し、そうでないと遺産分割に応じないと言ってきました。

 

それにしても腑に落ちないのが執行人に指定されている弁護士さんです。

こういう結果になることは火を見るより明らかで予想できたはずですから、配偶者が亡くなったときにすぐに追加の遺言書を作成するべきだったです。責任問題にもなるべきことで、せめてこれからの遺産分割を双方が歩み寄れるところで早めに決着させることで責任を果たしてもらいたいと思います。

ただ、こちらに相談に来られるくらいですから、それは期待できず、遺言の執行費用だけは予定通りもらうということであれば、専門家として恥ずべきことだと思った次第です。

 

◆問題になったポイント

・遺言書に配偶者に半分と記載があるが、本人より先に亡くなっている

・亡くなった人の相続分が特定できなければ消滅、遺産分割協議が必要となる

 

◆実例からの教訓

・状況が変わっても活かせる遺言書にしておく

・状況が変われば、念のため、遺言書を作り直しておく

 

 

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