夢相続コラム

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【それぞれの相続物語】(19)節税と二次相続の両方を考えて分割した田中さん

2022/10/28


【それぞれの相続物語】(19)節税と二次相続の両方を考えて分割した田中さん

 

◆相続関係者

●依頼者 田中さん(男性・50才代)

●被相続人 父(農業、不動産賃貸業)

●相続人  4人(配偶者、子供3人、長男、次男、長女)

 

◆相続事情

父親は農家の分家で、自宅周辺の3ヶ所に土地を所有して農業を続けてきました。時代とともに農地の周辺も開発が進んだため、農地は2ヶ所にし、1ヶ所は貸家を建てて賃貸してきました。3人の子供たちは近くに住んでいますが、農業は母親と二人で楽しみ程度に続けている程度になって、自宅の前以外は畑も維持するのが大変になっていました。

 

父親が亡くなったとき、JAの紹介の税理士に試算してもらったところ、相続税は1億円以上かかると言われましたが、とてもそんな現金はなく、土地も残したいので、できるだけ節税してくれるところを探したとのこと。本を読んでこちらに来られました。

 

◆課題

財産の大部分が土地で、現金はほとんどありません。納税をどうするかが、一番の課題でした。現在は貸家5棟が建っている土地がありますが、すでに老朽化して空いた2棟の貸家は納税のために売却しなければならないことを考えて、建物を解体して更地にしてありました。約70坪で、売却や物納することも可能でしたが、道路側の70坪を納税に充ててしまうと残りが変形地になります。田中さんの本音はできれば土地は売らずに残したいということでした。

 

◆解決へのアドバイス

☆土地は利用単位ごとに評価する

田中家の土地は3カ所ですが、自宅、農地、貸家、畑などが混在しています。全部を測量して個々の利用による地形と面積を出しました。面積が大きい土地は地積規模の大きな宅地評価ができること、利用単位ごとに評価することで、変形地となり、評価が下がります。

 

☆特例を利用し納税を減らす

節税効果を高めるため、配偶者の税額軽減と農地の納税猶予も両方を母親が受けられるような遺産分割としました。貸家の土地と生産緑地の指定がない畑が二次対策の候補地ですが、それでは50%を満たしません。そこで、自宅は長男と母親の共有、貸家の一部を次男と共有として50%になるように調整しました。これにより特例で納税を免除、猶予された割合は63.5%となり、13.5%は計画的に納税を減らせたことになります。

 

☆納税資金は借り入れで

1億円以上だと言われた相続税の納税は、3300万円となったことから、JAから借り受け、一括納付をしました。

 

☆母親の二次対策でアパート5棟建設

節税のために母親の相続割合が多くなったため、節税対策として賃貸アパートを建てていくことを提案、田中さん家族も同意されました。そこでまずは納税用と考えていた土地と賃貸中の3軒に明け渡しをしてもらい、2LDK6世帯2棟のアパートを建てました。別の場所にも3棟のアパート、マンションを建てることで、母親の節税対策は万全なものとなり、収入もいままでの5倍以上となり、提案通りの有効利用ができました。

 

◆まとめ

田中さんは本を読んだことから、節税ができるのであれば依頼したいと相談に来られました。土地の評価や特例の組み合わせで想定していた相続税の半分以下の納税で済ませることができ、土地はどこも売らずに残せましたので、大変喜んでいただきました。

土地の有効利用も当初は2棟だけのつもりが、完成前に満室になり、好調だということで前向きになられたようで、2年半で5棟が建ちましたが、どれも順調に稼働しており、うれしい出会いとなりました。

 

◆相続実務士からのアドバイス

土地は利用単位ごとに評価すため、現地調査で詳細を確認します。測量をしたほうが正確な評価ができます。面積が大きい土地は地積規模の大きな宅地評価ができる場合は2割程度の評価減が得られます。納税を減らすには、配偶者の税額軽減と農地の納税猶予の特例を利用するようにします。但し、配偶者の相続割合が多くなると二次相続の相続税が大きくなりますので、節税対策が必要になります。

 

 

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