夢相続コラム

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【それぞれの相続物語】(7)親の面倒も見なかったのに兄が権利を主張する松永さん

2022/10/12


【それぞれの相続物語】(7)親の面倒も見なかったのに兄が権利を主張する松永さん

 

◆相続関係者

●依頼者  松永さん(男性・50才代)・会社員、妻、子供

●被相続人 妻の父親

●相続人  長男、次女(松永さんの妻) 2人(長女は故人)

●財産の内容 自宅の土地、建物(建物の2/3は夫所有)、預貯金

 

 

◆相続状況 義父と義姉のために家を建てて同居、区分所有した

松永さんは、義父と共有名義の家を所有しています。土地は義父の名義ですが、3階建ての1階は義父、2,3階は松永さんの区分所有で登記をしています。当然、費用もその割合で負担しました。他の場所にマンションを購入して住んでいたので、当初は義父母との同居は考えていませんでしたが、義母が亡くなったとき、義父の方から同居をしてほしいという要望がありました。独身で病弱な義姉もいたため、松永さん家族が同居を決断したのですが、そのときに兄からも自分は同居できないので、実家で親と同居して欲しいと頼まれ、妻の希望もあって家を建てたいきさつがあります。しかし、このときから兄の思惑があったようで、兄の強い主張で義父の権利を登記しています。

 

当初は、建物は松永さんの名義にする条件で進めていましたが、途中で兄から父親の権利も確保したいので区分所有登記にしてもらいたいと言われ、やむなく同意をしたのでした。先に義姉が亡くなり、次に義父が亡くなり、兄妹二人で遺産分割をすることになったのでした。兄は義父が入院する際に預金は全部管理をすると言って持ち出しています。松永さんにすれば妻の実家に同居し、二人の面倒を見てきたことがあるので、土地と建物の区分所有は自分が相続し、残りは兄に譲るという気持ちでいました。ところが、開口一番兄から出た言葉は、「財産は半分ずつにする」とのことでした。

 

◆解決へのアドバイス

父親の遺言書はないので、不動産にも兄の権利があります。しかし、住んでいるのは松永さん家族ですから、不動産は松永さんの妻が相続し、兄には預貯金を払うのが妥当なところです。預貯金が少ないときは、兄に代償金を払うことでバランスを取るようにアドバイスをしました。

 

松永さんは自分の所有するマンションを売却して代償金に充ててもいいと覚悟をされましたが、兄はとても歩み寄る雰囲気ではありませんでした。兄にすれば駅に近い土地で価値があるので相続するのは当然ということでしようが、松永さん夫婦にとっては兄が学生時代から実家を離れて以来ほとんど寄りつきもしなかったことが頭から離れず、許し難い思いだとのこと。

 

歩み寄りの接点が見つからないのが現状で、最悪土地を共有しておき、建物を解体するときに売却して共有を解消することも提案しています。

 

◆相続実務士からのアドバイス

親と同居するために家を建てた場合は、相続のときにもめないよう事前に話し合いをしておき、共有名義にはしないことが望ましいといえます。

 

自宅をめぐる相続の揉め事を防ぐためには、公正証書遺言書を作成し、土地、建物を相続させる人を指定し、相続できない相続人には不動産と同等程度の預貯金を分与することです。

 

 

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